原作開始……?です!!6
…ここまで魔力が回復しないのは異常だけど最早慣れてくるわね…。
身体の倦怠感は残るものの動けない程じゃない。
無闇に動いてもレオナードは見つからないってのはヒューリやギルが証明してる。
だからとりあえず冷静になって考える時間が欲しかった。だが現実そんな時間すら惜しい。
机上の上で頭を抱える私が気になる点といえば、ここ最近ギルやヒューリが王宮へ行くとカティナが何か浮かれているって聞いた事くらいだけど…何か悪巧みして…待って。
ヒロインって確か原作だと魔力チートだったっていうのが物語の後半で明らかになるのよね…
もしカティナが私と同じ(転生してる)って前提なら…今までの異常も、おかしくはない。
でも他国の王女相手に証拠もないんじゃ何も…影だって最近は異変なしって言ってるし。
それにカティナがやってる事って攻略キャラに嫌われる事だよね?
好かれようと思ってたらそんな事しない。
……結界を壊された時私の身体に流れ込んだのはコレ(結界)を破ったのが父親と似た考えを持った人だって情報だ。今居ないレオナードはあのカティナにトラウマがっつり抉られる事を言われてたよね…
…まぁ転生してるならあり得ないとは思うけど少しでも可能性があるなら探っておこう。
情報がヒロインによる魔法で錯綜してるなんて有り得て欲しくないんだけど…ね。
***
アレから急いでレオナードの件についての今までの情報をまとめた結果、すべての情報が不自然に街の一角だけを避けていた事が分かった。
何故今まで気づかなかったのか不思議な程だ。
それと同時に父親の信じたくは無かったが、内通の証拠も掴んだ。
この国の(まだ軽い方だが)機密情報が父親から誰かによって他国へ渡されているという情報とともに。
その情報はひとまず伯父様に報告するようギルに頼み私はヒューリを連れ其の場所に向かった。
ギルやヒューリはまさかこんな近場で…と信じられない様子だったが何故かこの場所を知らなかったし、影は不思議とこの場所を調べようとは思わなかったみたいだ。そこには寂れた屋敷が一軒ぽつんと存在していた。
急いで屋敷を調べようと扉を開けた時だった。
「…っ!!!…〜!!」
「イゼリア!!危な…!!」
屋敷のどこからか声が聞こえたと同時にヒューリが屋敷に引き摺り込まれたのは。
「ヒューリ!?レオ!!どこに居るの!?」
ヒューリがいきなり消え、微かに聞こえたレオらしき声も苦しげに掠れていて私は普段のお嬢様らしい言動もかなぐり捨てて声を上げた。
屋敷はさほど大きくはなく、進むほどに体調不良が増していく。
「…やっぱり、ココなんだ」
厳重に幾重にも重ねた妨害魔法が証拠になる。
私は屋敷の奥へと重い足を進める。
私がこれくらいで済んでいるのは不幸中の幸いか魔力が空なせいだ。この世界の人は大なり小なり魔力がある。魔法を使えるほど多い人はそんなに居ないが微弱には持ってるのだ。ただ今の私は本当に魔力が無い状態だ。
ここのトラップは魔力が多い人にほど強く作動するタイプの物が多い。 だからヒューリには過敏なほど反応したのだろう。
やったのがカティナなら魔力が無い人には作動しないという事を知らなかったのかもしれない。ゲームではイゼリアの魔力空に…なんて事態は起きてなかったことだし。
だから魔力がある2人…ギルの千里眼では見えなくて、直接動いてたヒューリには建物自体が見えなかった可能性がある。




