カティナ視点2
アハハっ上手く行った!!
ゲームの主人公だけあって私の魔力はズバ抜けて高い。例えば悪役令嬢の少ない魔力で作った結界を無理矢理壊して魔力が回復しないように呪いを掛けて弟の魔法の邪魔をしても有り余るくらい。
そういえばあの邪魔な隠密?には適当な錯乱魔法を掛けたから彼は全く違う情報を王子に渡してるんでしょうね。私が周囲を探る魔法を使ってないとでも思ってたのかしら?
「はっ…あ…!!嫌だ…俺に触るな…!!もう辞めてくれ… っ!!…誰か…、」
「あらぁ?まだ抗ってるの貴方」
苦しそうに身を捩りながら悪夢やフラッシュバックに悲痛な声を上げるのは探索魔法も千里眼もおよそ考えられる魔法全てをシャットダウンするように呪文を掛けた騎士隊長だ。
目隠しに巻いてる布がその媒体。
てゆーか…本当に悪役令嬢の父親がかなりのトラウマなのね。
父親を見た途端あの笑顔が怯えたように変わって身体が震え出すものだから笑えたわ…。剣を握ることすら出来ないほど取り乱すなんてね。
…まさか私と悪役令嬢の父親が一緒に居るなんて思わなかったんでしょうね。あの父親が騎士隊長で遊んでいる間、そりゃあもう泣き叫んで助けを呼んでたけど助けなんか来るわけないでしょ。
…どうして助けを求めたのが悪役令嬢なんだかが分からないけど。そこはヒロインに求めるとこでしょ。やっぱトラウマが足りないのかな?
私が悪役令嬢の父親に言ったのは簡単。
「騎士隊長で遊んでいいわ。私が拐ってる間貴方は彼を好きなように扱っていい。バレないように私が魔法を掛けるから。…あぁでも時間を忘れて遊ばないでね。仕事にもちゃんと行くように」
遊ぶのはのはトラウマ作りにいいかも知んないけどー仕事に行かないと絶対に勘づかれちゃうでしょ。あの悪役令嬢に。
悪役令嬢は父親が拐ったならずーっと騎士隊長で遊んでるって思うはず。
だってあの父親馬鹿なのよ?私が時間を考えてって言わない限りずっと騎士隊長で遊んでるんだもん。
あれじゃ折角バレないように拐ったのにさ。意味ないじゃん?
で、私はあの父親が仕事に行ってる間、騎士隊長に父親が居るっていう幻覚と絶えず遊ばれている時の記憶を無理矢理引き出してるって訳。
あ、私は勿論普段は王宮にいるわよ?他のメンバーのトラウマ作りもしなきゃだし。
ここにはテレポートではなく空間転移っていう更に感知されにくい高位魔法で来てる。
でも、ハーレムの中でもこの騎士隊長は一番好みだから一番がっつりトラウマ作っとこうと思って。
身を強ばらせて震える騎士隊長。
身体の震えはしばらく止まっていない
「…見るな、頼む……イゼリア……」
「ここまでしても悪役令嬢な訳?・・まぁいっか・私が満足しない限り貴方に助けは来ないし・・・・希望なんか有り得ないんだから」




