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アルフォンス視点2

「あら、随分と寂れたところで…哀れな人。私の国に来れば幸せになれてよ?」

父上の影(暗部)から、小さな国(歴史は長い)から王女を頼まれたと連絡が来た直後、いきなり部屋に入ってきた少女がそう言う。

琥珀色の瞳、ピンクゴールドの髪という特徴からして頼まれたという王女だろう。それにしては礼儀がなって無さすぎるが。

「この国の第一王子なのに王から好かれていないなんて希望もないでしょう?私が国に帰る前に私に媚を売った方がいいわよ?」

ペラペラと外交問題など知ったことかと言わんばかりに良く口を開ける事だ。

護衛の為に近衛騎士団の隊長が付いていたはずだが慌てて迎えに来た青年は隊長のレオナードではなく知らない青年だった。


そして言われた発言に一人苛立っていた時だった。

あの王女は知らなくてただ我が儘を言っただけという考えかもしれないが先程言われた言葉は俺にとって言われたくなかった一言だった。

魔力が部屋で渦巻いて冷えていくのが分かる。抑えようと集中していた時だった。

「アルフォンス…えっと、入って宜しくて?」

「アル兄様…?」

イゼリアの珍しく控えめな声と寒さの為かカタカタ震えながらギルが俺の服を引っ張って来た。

「…ああイゼリア?ギルもヒューリもよく来てくれたね。お茶でも飲もう」

笑って言ったつもりだったがイゼリアはギルとヒューリに抱き着くと口を開いた。

「その前にその怒りを静めてちょうだい!!」

確かに凍りついたこの部屋で初春のドレスは薄いから冷えるだろう。

俺は急いで部屋を温める事にした。



***


「いやぁ…カティナ王女は凄いな。この部屋にいきなりやってくるなり俺のことを可哀想だとか言い出してな。」

怒りは収まったがこの思いを聞いてもらおうと3人に愚痴る。

「イゼリアに対しても酷かったぞ」

ヒューリの言葉的にどうやら俺やレオナードだけでは被害は収まらなかったらしい。

「そうか。恐らく彼女は自分の立場を分かっていないんだろうな。…レオナードにもかなりしつこく話し掛けていたぞ。護衛の為に付いていたのだが碌に仕事が出来なくなりそうだからな。部下に変わっていたが」

「「…あぁ」」

ギルとヒューリは短い間だがカティナ王女の性格の一端を見た為か納得していた。

イゼリアは複雑そうな顔をしていたが。

「まぁ遊学期間が終われば帰る。…それまでの我慢だな。」

…その遊学期間は四年らしいがあの性格のままでは、遠からず自国へ返されてしまうだろうな。

俺が耐えられる気がしないし父上が完全に切れて戦争になる可能性もある。


イゼリアは暫く話して俺が完全に普段通りになるとレオナードのところへ向かうと言って部屋から出ていった。3人共俺を最後まで気に掛けていた。


(彼女(カティナ)はイゼリアに害を成しそうだ。暫く監視をつけておかないと)



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