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原作開始……?です!!

今年私は18歳になる。

原作開始の時だ。ヒロインは確か名の知られていない小さな国の王女。

大国である我が国にその小さな国から頼まれて自国に有益な事を学ぼうとやってくるのだ。


そしてこの国の大家で王家も迂闊に手が出せないオルシア家のイゼリアに目を付けられる。ヒロインはイゼリアに逆らえば良いように言われて自国に強制送還されてしまうかと思っている。

それでは両親が頭を下げて自分をこの国に来させた意味がない。自分の小さな国ではこの大きな国には勝てないと分かっているからだ。


だが原作から攻略キャラ達は大分変わった性格をしているし、私(悪役令嬢)も変わったし、私を取り巻く環境も変わっている。

それに頻繁に接していたから分かるが攻略しやすいヒューリや、アルフォンスもココでは驚きの難易度だろう。2人ともそれなりに人を見る目があるから、ただ甘く優しいだけでは攻略されてくれないと思う。

まぁ、でもとりあえずヒロインは私の死亡フラグを乱立しそうなので会いたくないのが本音です。



「初めまして、私はカティナといいます。貴女は?」

「…初めまして、イゼリア•フォン•オルシアと申しますわ。カティナ様」

と言っていたのだが王宮へ着くなり声を掛けられた私は思わず悲鳴をあげそうになった。

この国には珍しい琥珀色の瞳にピンクゴールドの髪。人形みたいに可愛らしい容姿…柔らかな人に警戒心を抱かせない声。

ヒロインじゃねーか!!

関わりたくないって伯父様にも言ったよね!?

なぜ居る!!


「あら…女性の方も居られたのですね、私はそちらの男性方に聞いたつもりでしたのよ?」

渋々名乗る私にチラリと視線を向けながらヒロインことカティナが言う。

……ん…?あれ…えっとヒロイン(カティナ)はこんな事を言う性格だったっけ…!?てか声刺々しいな!!!

「名乗った主人に向かって不躾な事を言う女に名乗る名前はないな」

「姉様に気付かない人に僕の名前を教える訳ないでしょ」

戸惑っている私をよそに一歩後ろにいたヒューリ、私の隣で話していたギルが冷たく言う。

ちょ、2人とも空気が冷たいんだけど!!

ギルもヒューリも苛立っているようで瞳の色が変化しつつある。


「カティナ様!!勝手に出歩かれては困ります!!御身を守る事が難しくなるのですよ!?」

そう怒りながら走って来たのは最近良く話す近衛騎士団の人だった。

…つまり勝手に出歩いちゃったのか。他国で。

国の王女にしてみたら有り得ない警戒心の薄さだわぁ…。

「あらだって一人きりで部屋に居て寂しかったんですもの。そしたら同い年くらいの方々が居たので声を掛けたくなりまして…」

でも私への対応を見る限り同い年くらいの(男の子が)居たのでって事だよね。

「そうしたらこの方が無礼にも私の言葉を遮ってまで自分の名を名乗られたのですよ」

それは王女らしい考え方だ。

甘やかされ育った代表的な失敗例の。


だが近衛騎士団の人も馬鹿ではない。ギルやヒューリの空気が荒れている事や普段接している私の性格を知っているからかカティナを冷えきった目で見ながら口を開く。

「…貴女は王女という身ですがこの国においては他国の王族です。貴女の一言で戦争が起こる可能性がある事をお忘れなきように」

と甘えた王女に対して釘をさした。

「……分かりましたわ。貴方方がとても私を歓迎してないことを!!」

自分が思っていたように事が運ばなかった事を苛立っているようでカティナは感情的に怒鳴ると私にわざとぶつかりながら来た道を戻って行った。

「悪いなイゼリア、…アルフォンス殿下のご機嫌もレオナード隊長の機嫌もかなり悪い。フォローを頼む」

それを追い掛けるようにしながら近衛騎士団の人が私に言う。



…えっと。これは私がキャラ達を変えたからヒロインの性格も変わってしまったって事なのかしら。

「2人とも落ち着いた?アルフォンスのところへ行ったらいつも通り近衛騎士団のところに行きましょう」

でもあの性格では、きっとそういう事だわ…

とりあえず近衛騎士団の人も苦労してそうだしアルフォンスとレオのご機嫌を治しに行きますか。



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