ココア
これをリクエストしてくださった布袋様が消えていてショックです…。
今日はバレンタインデー。男どもがソワソワする日。
もちろん、俺も…。
「今日も居残りだったのですか。本当に馬鹿ですね」
「返す言葉がないよ…」
「いつものカフェに連れて行ってあげますから、元気出してくださいよ。へこんでいるとウザいですし」
「何気に悪口言わないでよ!」
2人はカフェに向かって歩き出す。
……どうして俺は面と向かってチョコをくれと言えんのだ!
中に入ると、バレンタインデーのせいなのか、カップルがたくさんいた。
全員滅ばないかな…。
「あっ、姫倉さん。こんにちは」
「こんにちは、嬉野さん。予約していた個室は?」
「こっちです」
個室か…エロい事しか妄想しかできん……。
「ちょっと待っててください」
「お、おう…」
これはムフフ展開を期待していいのか?
「すみません、お待たせしました。これ、どうぞ」
テーブルの上には、ホットココアとチョコレートケーキが置かれた。
「ココアは間に合わなかったので、自販機の物です。すみません」
「いや、すっごく嬉しいよ!」
「……あの、」
「ん?何?」
「私の事…名前で呼んでください」
……あっ。
「名前…なんだったけ?」
「……はぁ」
ため息をついてしまった…。
「姫倉 菜乃です」
「俺は…」
「松村 祐樹さんですよね。知ってます」
「えっ、知ってたんだ」
なんかちょっとうれしいな。
「じゃあ、名前で呼ぶね。菜乃…ちゃん」
「……ありがとうございます、祐樹さん」
「お、おおう……」
「……」
照れるなこれ!
「私…八重さんのお手伝いしてきます」
菜乃ちゃんは顔を真っ赤にして、個室を出て行った。
菜乃は可愛い。そして…愛おしい……抱きしめたくなる。
ああ、これが…好きって事なんだな。
シグレ様にこの2人の名付け親になっていただきました。ありがとうございました。