第4話「決意-再-」
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吹き飛ばされた痛み…避けられない惨さ…。反逆の決意が揺らいでいく…。アイちゃんが、集中して修練できる森の奥へと案内してくれてる間も、人の醜さ、自身の浅はかさに苛まれる。
そして何よりも…!
―2日後、ついに感情が爆発する。
「…女の子のピンチを前にして、俺は惨状から目を背けた!てめえの覚悟から逃げた!この情けなさが…、許せないっ…!!」
ガンッ
「…クソッ!」
俺の手が赤く染まる。だがその痛みは、己の無力さを痛感させるだけだった。
俺の顔は、もうぐちゃぐちゃな感情で歪んでしまった…。
しかしその時だ。
「ゲート。」アイが近づく。
「なんで私が、あなたを反逆者に選んだと思う?」
今まで見せたことのない、優しく涼しい声…。
「…え?」
いきなり何の話だ。
「…答えなさい。」
その言葉が、冷たく突き刺さる。
「…興味本位、とか?」
そう答えるしかなかった。
「そうよ。」
それを聞いて、俺は胸が痛くなった。しかし彼女は話を続ける。
「最初はただの賭けだったの。この世界を憎むだけの子どもが、もしかしたらって。」
アイの表情が少し変わる。言葉の冷酷さも、溶け始める…。
「わかったのは、あなたは思った以上に弱くて、情けない少年。」
「…だけど同時に、"人並み”の優しさも持った人間臭い少年ってこと。」
「…? アイ、さっきからいったい…。」
質問を無視して、アイが俺の目を見る。
「私はね、反逆には人の想いが重要だと思ってるの。」
「そしてゲート。あなたは自分を責めながらも、本当に逃げ出そうとはしなかった。今もあなたの目は自分の弱さに抗おうとしてる。」
アイが俺の頬に手を当てる。
冷たいのに、何故か温かさを感じる。
「ちが―」
思いがけない出来事の連続に、俺の視界が潤みだす。
「認めなさい!」
アイが眩しい笑顔と共に、俺の手を掴む。
「君は、もう一度立ち上がれるのよ!ゲート!!」
その言葉で、俺の何かが音を立てた。
「っ、う…うぁぁぁ〜!」
「…自分の弱さ…いやそれ以上に、信用できないはずの案内人が…!」
「…こんなにも俺を思ってくれたことが…!」
泣きじゃくりながら、アイの手を握り返す。
「アイ…!」
俺は真っ直ぐ紫色の瞳を見る。
「俺が反逆を達成するまで、隣にいてくれ…!」
それを聞いたアイが微笑む。
「…もちろんだよ、ゲート。」
このとき、傍にあった黒薔薇の剣が、微かに光ったように見えた…。
そしてこのやり取りが、俺の反逆を再び突き動かしてゆく…!




