第五話『初戦闘』
「じゃあまず君から。名前は?」
先生がそう告げる。指名された生徒は金髪蒼眼のいかにも王族です。という感じの態度をしていた。
「俺はアインツ・T・レーヴェルだ。」
どうやら本当に王族だったみたいだ。牡牛座王国の第三王子。
「わかった。では始めろ。」
「武具創造魔術『獣牙』」
空間に魔力で編まれる宝石で飾られた鞘を持つ片手直剣。
『武具創造魔術』、魔力を持っていれば誰でも使用できる魔術。
魔力量が多ければ多いほどより多くの武具を登録しておける。
アインツはそのまま抜剣し、そのまま地面を踏みこむ。
剣を振りかぶり先生を切ろうとするが二本の指で挟まれて止められる。
とっさに下がるがそれを見越して先生も一緒に跳躍して剣を離さずアインツ君を追う。
「へい晴兄。緊張とか大丈夫?」
見飽きてしまったのか陽菜姉がこっそり話しかけてくる。
「まあ大丈夫だと思うよ。っていうかしっかり見てなさい。」
「だって、つまらないんだもの。魔術至上主義の弊害だよね。いまいちイバン必須の武技学が伸びないの。」
ブーブー文句を言う陽菜姉をなだめながら試合の様子を見るともうすでに決着はついたみたいだった。
「うん。ここの生徒たちの上位に入れるだろうね。これからも精進したまえ。」
「クッ、分かりました。」
アインツ君のその顔はとても悔しそうで、なんかとてもざまぁと思ってしまった。
「じゃあ次。そこの女子生徒。名前は?」
と言って先生がさしたのは前のほうにいる白髪紅眼のお姉さんみたいな人だった。
「私はファナトスドール・メイウッドです。」
「わかった。では始めろ。」
「武具創造魔術『空雪』」
と言って編まれたのは雪と夜空をモチーフにしているであろうきれいな両刃剣だった。
「では、行きます」
と言って踏み出す瞬間、彼女の足の角度が45°傾く。
モルセ流・地の型『始走』
そのまま先生に床をすべるようにして接近し、先生の足を狙い刃を薙ぐ
先生はそのまま足を入れ替えてうまい具合に回避をする。
第二刃が先生の腰を狙いそのまま回転させるが、ジャンプをし、刃の上に乗られる。
そのまま先生は宙返りを披露しファナトスドールの後ろに着地をする。
彼女は振り向きざまに三連の突きを繰り返すがすべて躱されてしまう。
そこからは突きと薙ぎを入り混ぜた高速の演武が始まったが時間いっぱい先生が回避してしまい終了。
「うん。今年は豊作だね。ぜひともうちの研究会に招待したいくらいだよ。じゃあ次はそこの君。」
僕の番になったため
「あー。新輝橋晴翔です。先生に剣を抜かせられるくらいはしたいと思っています。」
という。
「ほぅ。それは楽しみだね。それじゃあ準備して。」
「α。きて」
そう言って呼び出すのは本当に簡素な片手直剣。
その武具を見てクラスの大半の人は失笑するが、次の瞬間、押し黙ることになる。
魔力を使い身体を強化する。俗にいう『身体強化魔術』とは別の方法で。
その時漏れ出る異質な魔力にクラスの人はビビったのだ。一部の馬鹿と天才を除いて。
「それじゃあ、先生。行きますね。」
「ああ、いつでも来い」
そうして僕は地を全力で踏み込むのだったーーー




