独白
言ったことを後悔していない。
言えてよかったと思っている。
いつかは言わなければと思い、
その時を待ち続けていたから。
言わずに終えることもできた。
黙ったまま調整してきた人生。
誰にも知られない影の気遣い。
誰からも見えない影の猫の手。
縁の下のサポートは無色透明。
いつの間にか全てが完了した。
言われない言葉はありがとう。
言われるのは、アレもコレも
やっといて。山積みの丸投げ。
ある日、堪忍袋の紐を解いた。
その日から影の猫の手は消え、
縁の下のサポートも止まった。
皆がありがとうと言ったのは、
既に去られたあと。遅すぎた。
皆、後悔して、探し回ったが、
呼び戻すことができなかった。
今。清々しい気持ちで冷麺を
味わい、解き放たれた自由を
満喫している。デザートには、
みずみずしい、冷やしトマト。