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ざっくり物理

プラズモンは揺れている

作者: ばーでーん





プラズモンは揺れている

金属の中では揺れている


電子の海に波を立てた

プラズモンが


光を跳ね返す

だから金属は輝く



プラズモンは揺れている

金属の表面で揺れている


ナノ粒子(コロイド)に閉じ込められた

表面プラズモンは


光を吸い込む

だからナノ粒子(コロイド)は色づく



ナノ粒子(コロイド)の色で

ステンドグラスは美しく染まる



金ナノ粒子(コロイド)も揺れている

生命の中で揺れている


病気の診断に役立つ

金ナノ粒子(コロイド)


光を散らす

だから病原体が見える



金ナノ粒子(コロイド)も揺れている

細胞の中で揺れている


細胞の機能を探る

金ナノ粒子(コロイド)


光を発する

だから細胞の秘密が明らかになる




お読みいただきありがとうございました。

以下、注釈です。


注1: プラズモン

 金属内のマイナス電荷の電子とプラス電荷の原子核は、プラズマを形成します。マイナス電荷とプラス電荷の間の引き合う引力をバネとした振動をプラズマ振動といいます。プラズマ振動は、量子力学的に1個2個と数えることのできる粒子で、プラズモンと呼びます。クラムボンではありません。

注2: 光を跳ね返す

 光学用語では、全反射、です。金属内の電子が集団的に原子核の周りを振動するプラズマ周波数は、可視光の周波数よりも速いです。従って、可視光は金属に侵入できずに全反射します。

注3: 閉じ込められた表面プラズモン

 ナノサイズの粒子は表面の閉める割合が増えます。小さな表面に閉じ込められたプラズモン、表面プラズモンが主役になります。表面プラズモンは、光を全反射せずに、一部の波長の光を吸収します。色はナノ粒子のサイズと金属の種類、化学的環境に依存します。ナノ粒子による着色の歴史は古く、ステンドグラスの赤、切子細工などに使われています。サイズの大きな金属は反射でピカピカして、ナノサイズで着色するのは面白いです。

注4: 生命の中で揺れている

 金ナノ粒子は、生体内のマーカーや標的細胞に特異的に結合させて、レーザー照射などにより機能を制御したりします。


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― 新着の感想 ―
[良い点]  ばーでーんさまの詩を拝読すると、科学ってなんてロマンティックなのだろうと思います。  『生命の中で揺れている』  このフレーズもとてもいいですね! [一言]  クラムボン。確かに似てい…
[良い点] プラズモン、という名前がいいですね。たしかに、一瞬、クラムボンを思い浮かべました…でも、病気の診断や細胞の機能を探るのに大切なものなのですね。 解説もとても興味深く読ませていただきました…
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