ひとときの休息
そうこうしながら、白いうさぎは、なんとか走り切りました。
やりづらかった仕事は全て黒うさぎと一緒に最適化しましたし、随分できることも増えました。
ついでに、前の仕事場にいた嫌なおっさんみたいなお客さんと闘い、辛くも勝ちと呼べるくらいの成果も上げられました。
もう、どこに行っても大丈夫でしょう。これだけマッチョになったのですから。
そうして、今度は花束を貰うくらい円満に、仕事場を立ち去りました。
前回と違って、今度は貯金もばっちりです。
しばらくは余裕で暮らせます。
土日だけ結婚式のお仕事をして、好きなだけだるごろして、平日は昼夜逆転してしまい、朝、日が出る前の綺麗な朝焼けを眺めてから眠りにつくような生活を、しばらく送りました。
おいしいものを食べうまいお酒を呑み、好きなだけ漫画や本を読んで、気に入った音楽なんかを聴くなどして、ゆっくりと疲れた身体を癒していきました。
まあ、そんな生活も、ずっとは続けられません。
二回の失敗を糧に、今度こそよさそうな仕事場をみつけることもできました。
そうして、新しい仕事場に向かう、少し前。
白いうさぎは、久しぶりにまた、黒いうさぎに恒例の問いかけをしました。
一体昔、何があって、そんなに苦しんでいるんだい? こんなにも苦しいんだい? と。
いつもだったら、何も答えてもらえなくておしまいでしたが、この時は違いました。
黒いうさぎは、一昔前の、ある事件の記事に指をさしたのです。




