おみせやさん
夏が近づいたころ。
灰色のオオカミから、贈り物が届きました。
それは、鮮やかな青色の椅子でした。
まるで海の中にいるかのような、美しい装飾が施されています。
その装飾の内の一つは、白いうさぎが書いた物語がモチーフになっているようで、なんだか嬉しくなりました。
その贈り物を眺めながら、そういえば、最初に手紙を出してからほぼ一年が経つのだなあ、としみじみ思いました。
とても長かったような、けれどもあっという間で短かったような。なんとも不思議な一年でした。
灰色のオオカミも、白いうさぎも黒いうさぎも、随分元気になったものです。
ここらで、少しリハビリでも始めるべきでしょう。
長いことお休みしていましたが、かつては青いうさぎがやっていた、一生懸命生きている人を励ますお仕事を、再開してみることにしました。
世の中、なんだか空虚な空気が広がってしまっています。
常に色んなところで、色んな問題が起きているのは、いつものことではあるのですが。
この国では、それらに大して、どこか斜に構えたり、簡単に否定してしまったり、無関心を貫かれてしまったりと、解決するための意思自体が削がれてしまっているようにみえました。
助け合いができない。
助けてほしい時に、助けてもらえなかった。助けてもらえたことがないから、助けない。
そもそも、助けが必要かどうかも、分かっていない。助けようと思ったこともない。助けてと声すら上げられない。
あちらこちらで、なんとも空しい悪循環が起こっています。
もちろん、手助けしようと、実際に行動を起こしている人もいます。
けれども、分母(助ける人)の数がごく少数で、分子(助けが必要な人)の数が圧倒的に多い、そんな状況になっているようです。
白いうさぎと黒いうさぎに今できることは、陰ながら励ますくらいです。
疲れた時には、どうぞ、たっぷり睡眠をとってみてください。
良心を持って、一生懸命生きているあなたなら、お会いできるかもしれません。
門をあけて、提灯吊るして、お待ち申し上げております。
『みせや』 ※歌です、音が出ます
https://www.nicovideo.jp/watch/sm35351215
https://youtu.be/n9xQnwfmvTs




