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Dear my wolf  作者: 蜂矢ミツ
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まどろむ冬

冬は、おふとんから出るのがつらい季節です。

体感がついてからというもの。白いうさぎはおふとんから抜け出すのが、大変困難を極めていました。


だって、ぬくぬくすぎるのです。

灰色のオオカミのぬくもりが、ほんわあっとおふとんいっぱいに広がるような感触。

これはもうたまりません。

永遠にもぐりこんでいたくなってしまいます。


そんなわけで白いうさぎは、あまり活動時間を長くできず、ぐーたらな日々を過ごしておりました。

そうはいってももちろん、毎日ちゃんと、お仕事に行ってはいましたよ。

ちゃんと毎日、紙ひこうきを折って、せこせこ飛ばしてもおりました。煩悩駄々もれな内容のものを。

それ以外は何かやろうとしても、遅々として進まずにおりましたが。


ぬくぬくで、あんまり幸せだったもので。

成果といえば、その幸せのおすそわけのような、森で動物たちが楽しく過ごす童話をひとつ書いたくらいでしょうか。


灰色のオオカミを、遠目にですが眺められる機会もありました。

それまではどこか半信半疑ではありましたが、本当に大丈夫なんだなあ、と安心したものです。


あとは、久しぶりに、急に背中が冷たくなってわたわたしたこともありましたっけ。

何かあったのはすぐに分かっても、何があったかまでは分からないのは、不便なものです。


黒いうさぎのお友だちへの手紙を、冬の初めから春の半ばくらいまでかけて書き上げたり。

今後のための情報集めを、地道に続けたり。

灰色のオオカミや、黒いうさぎのお友だちからの過去の贈り物を、じっくり楽しんでみたり。


そうこうしている間に、雪が解けて、あっという間に春の気配がしてきました。

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