もっとおおごとにする
『もっとおおごとにしてください』
ピンクの鳥は、そのように言付けていきました。
『全部ぶちまけてしまえばいいと思います』
また、黒いうさぎのお友だちからも、そのような意味合いの贈り物をいただきました。
さてはて。
難しいことを言います。
世の中、Metoo運動なども広がりつつある状況です。
確かにこれからは、隠し耐えるのではなく、勇気を出して声を上げていく必要があるのでしょう。
気持ちとしては、すぐにでも全力疾走、しゃかりきに何とかしてしまいたいものではありますが。
白いうさぎは、ここらで少し、元々白いのに、さらに真っ白になってしまいそうな様子でありました。
色んなことがありすぎて、また色んなことをやりすぎて、くたびれてしまったようでした。
もうさー、此処から逃げちゃえば、いつでも好きなだけ一緒にいられるよ?
そんなネガティブなことを書いた紙ひこうきを、灰色のオオカミに送ってみたりもしましたが、あまり色よい反応は得られませんでした。
でも、少しだけ進展もありました。
愛の手を握る物語を書き、黒うさぎに対しての理解が深まったからでしょうか。
灰色のオオカミとの繋がりが、以前より深まったようなのです。
具体的には、感じられる体温が上昇し、それによりどんな気持ちかが読み取りやすくなりました。
常にぺったりくっついているようで……少しだけ恥ずかしいような気もしましたが。その内に慣れました。
季節は、冬に差し掛かる頃。
しかし、灰色のオオカミのぬくもりが、何にも代えがたく幸せで。
白いうさぎは、今はまさに、わたしたちの人生の春のようだと、そんなことを書いた紙ひこうきを飛ばしてみたのでした。




