表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Dear my wolf  作者: 蜂矢ミツ
3/37

ちりばめられた影

 いったいこの既視感は、なんでしょうか?

 それはきっと、このレモンの贈り主に繋がるものに違いありません。


 白いうさぎは、これまで貰った贈り物を全部引っ張り出してきました。

 その中から同じにおいのする物、特に気になるものを調べてみます。


 青色と灰色絵の具が塗りたくられた絵。

 カラフルなお守り石。

 男の子が花飾りを首にかけている版画。

 たくさんの花が描かれた壁画。

 青と黄色と白の糸で織られた布。


 どれもちょっとずつでしたが、仲良しの青いうさぎと灰色のオオカミ、そして旅立つ前にお守りとして贈った色とりどりの花飾りのことを、暗示しているように思えます。


 そんなことがあるのだろうか。

 白いうさぎはどうにも信じられないまま、その謎の答えを求めるように、再びペンを走らせました。

 今度は、黒いうさぎと一緒にペンをきゅっと握って。


 物語の中で、青いうさぎと灰色オオカミは、離れていても仲良しでした。

 ふたりは特別な花飾りのおかげで、遠く離れても繋がっていたものですから。

 大きな湖に互いを写して、仲良く歌いあっていました。


 けれどもその歌は――途切れてしまうのです。

 青いうさぎが、ひどく傷つけられてしまったために。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ