28/37
思いなおしうさぎ
そもそも、返事のこない一方的な手紙って、難しいのです。
体感をみれば、元気かとか、嫌なことや悩みごとがないかとか、そのくらいのことは分かりますが。
ほとんどは、他愛のないことしか書けません。
こんなのなくても、どうせ大丈夫でしょ?
白いうさぎは、そんな気持ちでやめてしまいました。
しかし、灰色のオオカミにとってはそうではなかったようです。
白いうさぎはしばらく、背中がぎゅうっとなってぐりぐり強請られるような感触に悩まされました。
時間が経つとおさまったものの、せっかくあたたまっていたぬくもりが、すこし冷えてしまったようにも感じられます。
そんな日々を、しばらく過ごした後。
白いうさぎは、わたしは一体何やってんだろうなあ、と思い始めました。
白いうさぎが灰色のオオカミにできることなんてほとんどないのに、なんで唯一できることすらやらないのでしょう?
大事なことは、大事にするべきでしょう。
そうして、白いうさぎが思いなおして、再び紙ひこうきを飛ばし始めた頃。
灰色のオオカミから、新たな贈り物が届きました。