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Dear my wolf  作者: 蜂矢ミツ
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やさぐれうさぎ

 こたつが好きな人は、一度は思ったことがあるのではないでしょうか。

 こたつを背負って移動出来たら……! と。


 たくさん手紙や紙ひこうきを送って、灰色のオオカミが段々と元気になってくると、背中はぬくもりを帯びて、ほこほこ温まっていきました。


 そう、ここにマントタイプのブランケットを羽織れば。

 超コンパクト型、こたつむりの誕生です!

 そんなわけで、白いうさぎはしばらくの間、ぬくぬくした日々を過ごしておりました。


 進展? 特にありません。

 だって、ぬくぬくなんですもの。

 灰色のオオカミの心はやさしくて、とろけるくらいやわらかくて、あたたかいのです。


 白いうさぎは、色々ありすぎて、フルマラソンを走り切ってみたら、この後にトライアスロンがあるよ! と言われたくらいの衝撃でしたから。すっかりくたびれていました。


 ちょこちょこと短編なんかを書いてみたものの、筆はあまり進みません。

 また、書いたものをどのようにしたら広く読んでもらえるのかも、まだ調査もできておらず、対策も立てられていませんでした。


 加えて、情報集めです。今後のためにも、隔てている者たちとその周囲の情報を集めていかなくてはなりません。

 知れば知るほど、うんざりする情報がいくつもいくつも出てきました。ほとんど目の前で悪いことがたくさん行われているのに、だれもそれを咎められなくなっている状態のようです。

 全く、よくぞこんなにうんざりすることばかりできるものです。


 そして、普通に毎日仕事があって、毎日灰色のオオカミに紙ひこうきも飛ばして。

 さらに、灰色のオオカミは、それはもういっぱいもふもふしてきます。

 心地いいものの、あまりもふもふされすぎると他に何も手がつかなくなってしまうのです。


 毎日たっぷり癒されながら、がっつり体力気力を消耗していく日々。

 外から見れば何も変わっていない日常は、内実すっかりその在り様を変えていました。


 さすがの白うさぎも、ちょっとオーバーワークだったようです。

 全然お返事も来ないし、灰色のオオカミもすっかり元気……もう、紙ひこうきなんて、なくてもどうせいいんでしょ。

 そんなやさぐれた気持ちになって、紙ひこうきを飛ばすのを止めてしまいました。

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