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Dear my wolf  作者: 蜂矢ミツ
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紙ひこうき

 白いうさぎは、たくさん手紙を書きました。

 ひつじのルーさんに頼むには長すぎる文量でも、郵便屋さんなら安心ですから。

 これまであったこと、もらった贈り物が嬉しかったこと、最近の暮らしぶり、灰色のオオカミが大好きなことなどを――何通も書きました。


 また、明るくて楽しい物語でも書こうと、あほな狸とやさしい狐の物語の冒頭を書いて、一緒に送ることにしました。


 また、あんまり元気がなかったから、ちゃんとご飯を食べているのか心配になりました。

 白いうさぎは、離れていてもおんなじものを食べたら楽しいかな? とも思い、目についた美味しそうなものや最近のお気に入りのものなどを、灰色のオオカミと自分の分をそれぞれ買い揃えました。


 最後に、昔よく焼いて、好評だったクッキーを久しぶりにたくさんこさえて、たっぷりと袋に詰めました。

 しかし、すでに箱ひとつがいっぱいになってしまっていたため、クッキーだけは、別の黒いうさぎのお友だちに送って、みんなで分けてもらうことにしました。


 灰色のオオカミは、なんだかずっと家に籠って、白いうさぎの方をみてばかりいるような気がしたもので。クッキーに釣られて、きっと外に出てくれることでしょう。


 しかし。

 直接灰色のオオカミのおうちに送ることができるわけではありませんから、もしかしたら受け取ってもらうまでに時間がかかってしまうかもしれません。


 クッキーとはいえ、真夏日ですから、あまり時間が空くとおいしくなくなってしまうかもしれません。

 事前に届くことを知らせたくとも、あんな風に終わらせてしまったので、ひつじのルーさんに頼るわけにもいきません……。


 何かいいものはないかとふんふん嗅ぎまわっていると。

 とてもいい方法を見つけることができました。


 紙ひこうきです。

 紙にさらさらっと短い文章を書いて、紙ひこうきにしてひゅーんっと飛ばすと、灰色のオオカミの元にすぐさま届けることができるのです。


 これならば、ひつじのルーさんに頼むのとは違い、コピーしてばらまかれる心配もなく、灰色のオオカミだけに届けることができるようです。

 まだ扱いが分からず慎重ではありましたが、白いうさぎはその後は、紙ひこうきで手紙を届けていくことにしました。

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