答え合わせ
関わっている人物が分かったのは、大きな前進でもありましたが、同時にこれは根が深く、なんとかするには時間がかかりそうだとも思いました。
こちらから送るものは受け取り可能なのに、逆に相手からの接触は一切不可。
そんな状況も、なんらかの法を適用できれば、作れるものなのかもしれません。
情報が集まる前に、考えてばかりいても仕方がありません。
まずは、灰色のオオカミに元気になってもらうことが、最優先です。
白いうさぎは再びペンを執り、短く楽しい手紙をちょくちょく書いて、こまめにひつじのルーさんに託し、届けてもらうことにしました。。
灰色のオオカミのおかげで、今元気でいること。
幼いころ頃から、たくさん苦しいこともあったけど、それなりにちゃんと暮らしてきたこと。
歌が好きなこと、でもそれで一人で生活することは難しくて、普通の会社で働いていること。
そんな他愛のない事を、面白おかしく書きました。
ひつじのルーさんに託す時、灰色のオオカミはこちらをじーっと見つめていて、なんだかうるうるしているようで、白いうさぎの視界までにじむようでした。
とても楽しみにしてくれているようなので、毎日、徐々に書く文量も増えていきました。
ちょっとわるだくみをして、前もその前も女性が多い仕事場だったけれど、今の仕事場には独身の男性がいるよ、とか、婚活パーティに行ってみたことがあるけど、何故かそこで女の子の友だちを作ってたよ、なんてことも書いてみました。
そうしたらば、灰色のオオカミは、もの凄い焼きもちの焼きっぷりでした。
どのくらいかというと、白いうさぎの背中が、それはもうぞわぞわするくらいです。
おかげでしばらく、仕事場で仕事の話をしているだけでもぞわぞわして大変でした……。
でもちょこっと面白かったです。
黒いうさぎが動けなくなってしまったくだりは、灰色のオオカミの他、黒いうさぎのお友だちの間でも大きな謎になっていたようでした。
一体どこの誰にどんな目に合わされて、そんなに傷ついているのか? と。
一時期は、死んでしまったのかもしれない、とまで思われていたようですから。
コンクリートに詰められた事件のことを書くと、彼らにとっては全く予想していなかったのか、ものすごい動揺が広がっていくのが、ぼんやりと分かりました。
白いうさぎは、物語にすっかり書いたつもりでいて、伝わっているようなつもりになっていましたが、そういえばちゃんとは伝えていなかったと、ここではっとしました。
白いうさぎは、ひとつひとつ明らかにしていきました。
原因になった事は、ずっと過去にありましたが、黒いうさぎを動けなくなるまで傷つけたのは、黒いうさぎ自身です。
つまりそれは、自傷行為であったのだと。
それでも、白いうさぎは諦めずにちゃんと、たくましく生きてきたのだと。
秘密保護法あたりが怪しいのかな、と思っているのですが。
上記の法で、以下は可能でしょうか?おしえて有識者さーん!
1.多数の人の特定の人物への接触(連絡含む)を禁ずること(特定の人物からの手紙や荷物は受取可能)
2.『非公知性』をなくす(特定秘密の提供を受けていない人物が、全ての秘密をネット上などで暴露する)ことで、特定秘密の指定を無効にすること




