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Dear my wolf  作者: 蜂矢ミツ
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るるるるるるるん

 るーるるるるるん♪ るん♪

 痛くないって、なんてすばらしいんでしょう!

 これなら、今までできなかったいろんなことに挑戦できそうです。


 白いうさぎはるんるんご機嫌でお礼の手紙をしたため、ルーというひつじさんにお手紙を託しました。

 なんでも、レモンを贈ってくれたひとに、届けてくれる(かもしれない)ということでしたので。

 ついでに、どこ宛てにお手紙出したら届くのん?と言付けておきました。

 毎度ひつじさんに頼まなくてはいけないのも、大変ですから。


 さて、せっかく元気になったことですし。

 白うさぎは、もっと何かに挑戦してみたくなりました。

 そうだ、前からやりたくてもなかなかできなかったことをしよう。ひとつ、物語でも書こうじゃないか!


 そう思い立ったらすぐ。手紙を書き終えたばかりのペンで、さらさらっと書き始めました。

 季節は、夏目前です。夏といったらホラーでしょう。

 人形たちが蠢く、とっても怖い話を書こう。まずはその、前日譚からだ!


 そうして、青いうさぎが、怖いところに無理やり連れてこられる話を書きました。

 白いうさぎはさらさらっと書いてはみたものの、なんだかしっくりきませんで、ペンを止めていると。


 だだだっと黒いうさぎがやってきて、ペンと紙を(うば)ってしまったのです!

 そうして、白いうさぎが書いた話にきれいサッパリ消しゴムをかけてしまってから、似ているけど(ちが)う話を書きました。

 青いうさぎが、大好きな灰色のオオカミとお別れして、自ら未知の世界に飛び込んでいくお話でした。


 白いうさぎがそれを読むと、なるほどしっくりきたものでした。

 それからふと、既視感(きしかん)を覚えました。


 青いうさぎはお別れするときに、自分の心を込めたお守りの花飾りを、灰色のオオカミに贈っていました。

 そして、青いうさぎと灰色のオオカミは、遠く離れていても、その花を通して(つな)がっていたのです。


 白いうさぎは、なんでかそれを知っている、どこかで見た気がしてなりませんでした。

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