表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Dear my wolf  作者: 蜂矢ミツ
14/37

からくり

 さてさて。

 ホラー小説の前日譚として書き始めた物語は、当初考えていたものとはすっかり違うものになってしまいました。


 本編として考えていた物語の構想では、『前日譚での女の子の死後めちゃくちゃになった世界を、次世代の三人の子どもが立て直していく』お話でした。

 でもそもそも、前日譚の女の子にあたる青いうさぎは、辛くも生き延びています。


 白いうさぎがどうしたものか、と考えるまでもなく。

 黒いうさぎには別の構想が出来上がっているようでしたので、それに任せて、本編なるものをさらさらさらっと書き上げました。


 まだ悪くなりすぎる前の世界で、青いうさぎと一緒に、同世代の二人の子どもがハチャメチャやって立て直してしまう。

 そんな勢いのある物語になりました。

 出来はともかく、書きあがった時のにはすっきりした爽快感があって、その日はとてもよく眠ることができました。




 けれども、次の日起きて、いつも通り仕事場に向かった時のこと。

 前日の爽快感とは一転して、ぐんにゃりと何もかもがのしかかってくるような不快感がありました。


 なんと表現したらよいものか。

 ずっと閉じていたシャッターを開いたら、びっくりするくらい色々なものが入り込んできてしまったような。


 みんな喜んでいるような感覚が伝わってきますが、白いうさぎの脳みそは限界でした。

 その日は具合が悪いと跳んで帰って、ぶるぶる震える身体におふとんを頭からかぶって無理やり眠りました。


 何時間か経って、目を覚ましたころには、それらはすっかり治まっていました。

 どうやらそれは、黒いうさぎが見ている世界の一端だったのでしょう。


 物語の中で青いうさぎは、心優しい樹のお手伝いとして、いろんな人にちょっかいを出して励ますことを生業にしていましたから。

 どうやら、黒いうさぎには、白いうさぎの知らないお友だちが随分いるようです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ