悲しむことで癒えるもの
ようやく、向き合うことができたものの。
それで、何が変わるというのでしょう?
白いうさぎは、結構たくましく生きてきました。
同じような状況に陥ったとしても、前よりずっとうまくやれるでしょう。
悔やんだところで、もう全て過ぎ去った昔の話。
けれども、心の痛みや苦しみは、ずっと続いてきました。
それは、どうしようもないことなのでしょうか。
結局どこに辿り着くこともできないまま宙ぶらりんで、白いうさぎは、どうしていいか分からずに、ぼんやりとした日々を過ごしていました。
そんなある日のことでした。
つやつやぴかぴかのレモンがたっぷり入ったかごが、二匹のもとに届いたのは。
そのかごには、たっぷりのレモンと一緒に、贈り主の悲しみや寂しさも詰まっていました。
レモンはとてもおいしくて、けれども食べると涙がとめどなく流れだしました。
不思議と、その流れていく涙と共に、ずっと胸につかえていた痛みや苦しみまで、流れていったのです。
どうしてだろう。
白いうさぎがしきりに不思議がっていると、これまでずっと黙りこくっていた黒いうさぎが、口を開きました。
過去にあった事をずっと引きずって、受け入れられずに、向き合えずに、ずっと悲しむことすらできずに、生きてきたからだ――と。




