~死刑執行人の運命~
第一章 運命
薄暗い部屋の中、窓際に一人の少女が俺を見つめていた。
”ねえ?なぜ殺さなかったの?”
少女はもう1度尋ねてきた。
”あなたは殺人を楽しんでいたわ。だから私が導いてあげたのに。なぜそれを拒むの?”
少女は理解できないと顔を顰めた。
「確かに俺は、君に従って人を殺してきた。」
昔、橋の近くで男達に絡まれた時も。港の倉庫で暴れた時も。戦場で戦った時も。
俺は、彼女に逆らわず人を殺した。
俺は、運命に身を委ねた。
「ただ感情に呑まれて、情動に支配されて生きてきた。」
情動に支配されて生きていくなど、運命の操り人形でしかない。
「君を見て見ぬふりをしていた。君から逃げていた。」
「でも、それじゃ獣と同じだ。人には理性がある。選択する自由がある。」
俺は自分の意思で生きたい。
自らの意思で野望を抱きたい。
野望を抱いて存在理由を得たい。
「俺は人として生きたい。」
「俺はもっと君と向き合わなきゃいけなかったんだ!」
「だから俺は君と向き合う!」
”何がそこまであなたをそうさせるの?”
『人で在りたい』
ただそれだけの想いだ。
"ふーん、じゃあ私を拒絶するの?"
そうじゃない。君を受け入れたいんだ。
"私を?受け入れる?本気?"
本気さ、やってやる。例えできなくても、君に呑み込まれるだけだ。
"そう......やっと見てくれるんだ、私を"
待たせて悪かったな。
"いいの、期待してなかったし。"
本当は期待していた癖に。
"お見通しなのね。それもそっか......だって私とあなたは"
そう、俺と君は
「"一つになったんだからーーー"」
■■■
第終章 終幕
即刻、オレは拘束され、国家を転覆しようとした罪に問われた。
幸か不幸か死刑は免れ、罪人で構成される軍隊に所属することとなった。
オレは戦場へ送り出され、捨て駒のような扱いを受けながらも敵を殺し続けた。
結局、どう転がっても殺人から逃れることはできないらしい。
昔なら、なんの目的もなくただ人を殺した。だが、今は己の目的のために人を殺している。
この罪人部隊で功績を上げれば、晴れて自由の身になるらしい。
また人を殺す日々が続く。
自分の意志で、
野望のために、
存在理由を得るために、
俺は運命と共に生きていく。
END
お久しぶりです、4年ぶりくらいに完結させました。
お待たせしてしまってすみません、某小説の3巻と同じことになっていましたね。
自分の昔の作品を読みながら、完結させるって苦しいですね。こう、イタイ感じで......
"Done is better than perfect."の意味が身に染みて分かりました(笑)
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!




