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いつもありがとうござます。


「万里は本当……、まあいいや。あ、そうそう一年で呪いは消えるけど、その間王子とキスとかしない事」

 呑気に喜んでいたら、神様がとんでもないことを言い出した。

 今、なんて言いました? 聞き間違いじゃないよね?

「へ、えぇつ。な、なん、なんであた、あたしが王子とそんな……」

 ちょっとまってよ、神様あたし。そんな可能性無いから、絶対無いからゼロだから。

 ありえない事想像して焦るのも変だけど。神様、何を言い出すのっ!!

「顔真っ赤だよ。想像した?」

「す、するわけないじゃないですかっ。だってあたしだし、相手はお、お、王子様ですよっ。ありえないです、ありえるわけないですっ。こんな恰好良い人があたしにそんな」

 神様、冗談でもそんな事言わないで欲しい。

 あたし免疫ないんだから、本当に人生の潤いゼロで生きてきたんだってばぁ。

「そこまで慌てるって逆に感動するね。万里素材は悪くないと思うよ。目は二重で結構大きいし、愛嬌のある顔してる。綺麗とかはお世辞にも無理だけど。可愛い顔だよ。肌も肌理が細かくて触り心地良さそうだし。二の腕とお腹がぷにゅぷにゅしてるのは愛嬌と言う事で」

 褒めてない。全然褒めてないからそれ。どっちかって言ったら馬鹿にしてるから。

 というか、神様いつあたしのお腹を見たっていうのよ。二の腕もお腹も触った事ないよねえ。

「可愛いなんて子豚だって褒める時は可愛いっていいますよ。それからぷにゅぷにゅ評価はやめてください。せめて、ぷにぷにって言ってください。ぶよぶよも駄目ですよ」

「ぷにぷにもぷにょぷにょもぶよぶよもぷよんぷよんも同じでしょ」

「違いますっ。全然違うんですぅ」

 こんなの力説する意味ないと思うけど、でも自己主張は大切だよ。

 あたしは標準よりちょっとだけぽっちゃりしてるだけだもん。

 い、一応Мサイズ入るし。デザインによってはパツパツだったりするけど、でも入るんだからぁ。

「まあ、そんなのはどうでもいいけど。とにかく王子とキスしたりそれ以上したりしない事。したら呪いは倍以上の威力で王子の体に戻っちゃうから。戻ったらそこから再スタートだけど威力が増した分浄化にかかる時間も長くなるし、王子の体にも負担が増える」

「そんな」

「握手したり、抱きしめたりは大丈夫。そうだなあ、ほっぺにチュウとかも平気かな。一年経って王子の呪いの浄化が完了したらその後は何をやっても問題ないから」

 ほっぺにチュウもあり得ないから。神様頼むから変な事想像させないで。

「一年頑張れば呪いそのものが王子に呪いを掛けた相手に移るからね、それで浄化と報復が完了」

 報復って、王子は自分が誰に呪いをかけられたか知ってるのかな。

「呪いを掛けた相手。それって、誰が何の為に」

「王子に呪いを掛けたのは、今の王妃。王子の継母だよ。王子も誰も知らない事だから誰にも話してはいけないよ。秘密を話したら、万里はきっと王妃に殺されてしまうからね」

 だったら、そんな重大な事教えないで欲しいんですけど。

あたし一年間無事で居られるのかな。なんだか不安になってきちゃったよぉ。





「……り、万里。大丈夫か? 目を覚ませ」

「うん。神様。あたし頑張るから……」

 冷たい手があたしの頬をぺちぺちと叩く。

「万里? 神様って」

 あれ、この声。王子様? あたし眠ってるの? なんで?


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