後編
※読んで頂くための注意。
この物語はフィクションです。登場するキャラクターは実在しません。 実際に運転する時はシートベルトを締め、ルールを守って安全運転でお願いします。 後、この物語は警察を悪役として登場させていますが、実際にパトカーに妨害することはやめてください。
レースは2周目。現在、私とロードスターは3位だ。
私は第1コーナーに入る。このゆるやかなコーナーを時速180km/hを超える高速ドリフトでインを突っ込む。私はコースを覚えたから本気を出す。
「ロードスター、行くよッ!」
2つ目のコーナーもドリフトのインで攻め、3つ目の右コーナーで私は前の86を追い抜く。最下位を脱出したのだ。
次のヘアピンではセリカを追い抜く。
さらに高速コーナーでDC2を抜く。2周目の私は絶好調だ。ごぼう抜きをしたのだ。現在の私は10位。
今、うちは第3位や。前にはシティターボII、90チェイサーがおる。
「美鈴、おらんなァ……どこや?」
うちは後ろを見たけんど、美鈴はおらんかった。
まさか最下位になっているやろかァ……!?
「くそッ! 1周目の仕返しをされてもうたァァァ!」
1周目の第1コーナーで追い抜いたEG6に抜き返された。なんてこったわ!
「EG6のドライバーに言っとく、こっちはタイプRやッ! タイプRの車はただのホンダ車に負けたら恥や! 負けるわけにいかへん!」
タイプRがタイプRじゃない車に負けたら笑い物や。うちはそう言いながらEG6を追う。
2連続コーナーでEG6の後ろに入り、
「ヘヘッッ!! うちはコバンザメやで! コバンザメのうちはマンタのEG6について行くでッ! コバンザメはマンタにひっつくからなァァ!」
自分がコバンザメになった気分で、うちはEG6について行く。
「行くでッ! うちは抜き返してやるでェェッ!」
しばらくEG6の後ろに着いていき、7連続コーナーの終わりにうちは攻めに入った。
「行っくでェェェェッ!」
コーナーのインに入り、Fドリをする。
それをしながらEG6を追い抜く! リベンジし、3位に戻ってやったでッ!
私は順位を上げていき、4位に伸ばした。
7連続コーナーを抜け、メインストレートを通り過ぎ、3周目へ。
「香織ちゃん! 抜くよッ!」
第1コーナー。私は香織ちゃんを抜こうとした。
しかし!
(ピー! ピー! ピー!)
突然サイレンが鳴り始めた。何があったの!?
そう、警察がサーキットに来るというのだ。
「警察が来たッ! みんな逃げてッッ!」
私は参加者に警察から逃げるように呼びかける。
絶対に逮捕者を出したくないと。
「市の許可なくサーキットで走行していた走り屋グループを発見しました。」
警察の車が5台ほど、ピットから現れ、私たち走り屋を襲い出す。
警察の車はアテンザスポーツ(初代)だ。
「お前にサーキットを荒らせさせないッ!」
私はそう言って、警察の車にタックルし、そいつを追い出す。
「ククッ! サーキットでお遊びは終わりだ! 続きは金を払って市の許可を貰えッッ!」
「!?」
パトカーじゃないけど、サイレンが鳴っている白いストライブの青いミラージュ・サイボーグRが来る。アテンザパトカーのボス格だ。
サイボーグRの運転席から1人の女が降りる。髪は藍色のツーサイドアップ、身長は160cm。体重は47kgだ。服装は青いTシャツに、藍色のジーパン。
「お前は誰やッ! 名前を言えェッ!」
サイボーグRの女に名前を言えという香織ちゃん。
「名前? あたしは晴岡未来だぜ」
香織ちゃんに名前を聞かれたサイボーグRの女は答える。彼女の名前は晴岡未来だ。
聖市警察走り屋取り締まり隊のメンバーだ。
「お前ェ……みなが楽しみに走ってたのに、なんで邪魔するねんッッ!」
レースを邪魔したことに香織ちゃんはカンカンだ。
みんなしていたレースを邪魔したことが許せないらしい。私も一緒。
「車は人をおかしくする。金はなくなるし、最後は負け組になっちまうぜ」
車は人間をおかしくする。だから車は嫌だと晴岡は言う。
「嘘つけえェいィィィィ! 車はなぁ、人間の友達やッ! どこが人間をおかしくするんやァァ!」
晴岡の言葉に反論する香織ちゃん。
そうだよ、香織ちゃんの言うとおりだよ。
「友達じゃない、お前らをめちゃくちゃする邪魔者さッ!」
じゃ……邪魔者ォ? 車は人間の邪魔者じゃないよッ!
「邪魔者というなァ! お前も車持っているのにそんなこと言うなァ!」
「フフ……この車は市から配布された車だ。これはパトカーだ。走り屋取り締まり隊になった記念になァ!」
この車は警察から貰った車だと言う。
晴岡のサイボーグRは走り屋取り締まりたい隊に入った記念に市長兼警察長からもらった車だ。その車は見た目はチューニングカーだが、れっきとした覆面パトカー。
走り屋取り締まりた隊に入れば車をもらうことができる。 この配布車はレーシングカーさながらのチューニングされている。
「あたしは警察だから車に乗ることが許されるんだ。一般は車に乗るなァッ!」
挑発的なセリフを晴岡は言う。
「なんやとォォ! 一般人は車に乗るなって言うなァッ!」
その言葉に香織ちゃんはさらに頭がカンカンになる。
香織ちゃんは晴岡に襲いかかろうとした。
「香織ちゃん、落ち着いてッッ!」
私は香織ちゃんを呼び止める。
呼び止めに応じたのか、香織ちゃんは晴岡を襲うのをやめた。
「一般人にも車を乗る権利があるんだよ! 車は警察の物だけというのをや
めてッッ!」
私は、車は誰にでも乗れる物だと、晴岡に言う。
警察の物だけじゃない、車はみんなの物だッ!
「はあァ? 何言ってるんだ!? 車は警察だけの物だ! お前らは乗るなァ! 車は人をおかしくするんだ!」
「車は人間をおかしくすると言う人間のほうがおかしい。車は人間を楽しませる物なんだァ!」
車は人間を楽しませるものだ。人間をおかしくしない。
「アホかお前ッッ! 車は人を楽しませるもんじゃねぇ! こんなの言うのなら、どっちが正しいかバトルで決めてやるぜェェェェ!」
突然、バトルをしてやると晴岡は言いだす。
「もし、お前らが負けたら……車を捨てろよォォ! 逃げても同じだ」
負けたり、逃げたりしたら車を捨てろと強要してくる。
絶対に負けられないバトルになりそう……。
「負けたら嫌だけど、このバトルを引き受けるよ! ロードスター、絶対に勝とうね!」
晴岡の挑戦を私は引き受けた。走り屋はこうではないと!
私達3人の車はスタートラインに立つ。
順番は先頭に香織ちゃんのEK9、真ん中に私のロードスター、一番後ろに晴岡のサイボーグRだ。
3,
2,
1,
GOッ!
(ブオオオオオオオオオン!!)
「さぁ、行くよ! 香織ちゃんのEK9と私のロードスターッ!」
バトルがスタート。私と香織ちゃんは最初の三連続コーナーを攻める。
「晴岡という奴ゥ、うちらは負けへん!」
ヘアピンに突入。私は2人はここでドリフトで抜ける。
「ケケッ! あたしに逃げ切れると思うか?」
一方、晴岡は今3連続コーナーを終えた所だ。
私は晴岡からせいいっぱい逃げていた。
しかし!
「抜っくぜーいィ!」
終盤の7連続コーナー。晴岡のサイボーグRが距離を離してくる。私の後ろについて来る。
「あばよッ! このノロマがァァァ!」
晴岡は私と香織ちゃんを追い抜いていった。なんという速さだ……。
バトルは2週目に入る。私達2人を追い抜いた晴岡は私達に差を付けていった。その差はなんと200mッッ!
「差が離されている……」
あまりにも差に、運転しているのにもかかわらず、私は一瞬目をつぶってしまった。
「こんや差やけど……うちらは諦めへん!」
差は離されているけど、諦めない。
絶対に諦めない! チャンスがあるから
「ロードスター、逆転しよう!」
「ほな行くでェ! EK9ッッ!」
私達は差を縮めよう! そして勝とう!
高速セクション後のシケイン、2連続ヘアピン、3連続90℃コーナーを次々とクリアしていく。
私達は12台と走ったレースを思い出しながら攻めていった。晴岡との差は100mに縮まった。
レースは最終ラップに入る。
私達は3連続コーナーに突入。アウト・イン・アウトで突っ込んだ。同時に香織ちゃんを抜く。
「晴岡、待ってて!」
晴岡との差はどんどん縮まっていき、高速セクション後のヘアピンの終わりで晴岡のサイボーグRを発見する。
「くそったれが、追いつきやがって……」
現在晴岡との差は25mだ。
晴岡は追い抜かさないと必死だったが、差はついに私のすぐ前へと縮まった。
「クク……今までは性能に頼っていたが、最終ラップの7連続コーナーで本気だ! 抜かさないぜェェ!」
今まではサイボーグRの警察式チューニングの性能に頼っていた晴岡。
最終ラップの最終コーナーは抜かせないと本気になった!
「抜きたいけど抜けない……突破口が閉じている!」
これが……晴岡の本気!?
追い抜けない!
「ハハッ! ざまぁみろ! あたしの本気は完璧だッッ! これで勝ったぜェェ!」
勝利を確信した晴岡。
がッッ!?
「突破口はここだ!」
7連続コーナーの7つ目。
私はインを突き、晴岡のサイボーグRを抜く。
「あああああああッ! くそったれが!」
抜かれた時の晴岡は悔しさの叫び声をあげる。
続いて香織ちゃんも抜く。
「行くよ! ゴールは目の前だッ!」
ゴールへ向かって、私は突っ走っていく。
「くそがァァァ! 覚えてろ!」
晴岡の負けた悔しさは激しく、ハンドルを叩くほどだった。
この勝負は私達の勝利に終わった。
「やったよ香織ちゃん!」
私達は勝ったことに喜んだ。
「あれ……サイボーグRの奴は?」
晴岡は逃げていった。私たちに負けたことが悔しいから。
レースは警察のせいで中止になったけど、私たちは警察を追い出すことができた。
さて、私たちの戦いはまだまだ長く続くけど、私たちが言えるのはここまで。
続きはあなたの想像でね!
-完-
昨日の23時に未完のまま投稿されても書き続けましたが、パソコンが電池切れになった上、そのまま寝てしまいましたorz
「なんだこれ! そんな終わり方ないだろ!!」って言っていた人達すみません。朝すぐ起きて書き足しました。
「聖市モストウォンテッド」はこれで終わりです。
この作品は「もし、自動車が禁止されたらどうしょう」と思った想像から始まり、その後「走り屋が警察と戦う作品」となりました。
2ヶ月に1回というペースで書きましたが、1話書くごとに僕の名前が変わってます。
前編=アンダー奥山
中編=いんふぃにてぃQ45
後編=ロンリーダイヤモンド2006
名前変えすぎやん。俺wwwww