中編
※読んで頂くための注意。
この物語はフィクションです。登場するキャラクターは実在しません。 実際に運転する時はシートベルトを締め、ルールを守って安全運転でお願いします。 後、この物語は警察を悪役として登場させていますが、実際にパトカーに妨害することはやめてください。
午後3時、私は香織ちゃんの隠れ家がに着いた。
香織ちゃんは隠れ家の左に生えている草の中に入る。私も入った。
香織「行くっでッ!」
草の中を出た後は駐車場があった。ここなら警察に見つからないぞ。
だが、私はロードスターを駐車場に止めた後、警察の車らしき青いスイスポを発見する。私はこのスイスポを見る。
美鈴「あれは警察のスイスポッ! 隠れ家に警察がいるのぉ?」
香織「ああ、これは昔うちがサツから盗んだ車や。あと、うちは昔は自動車窃盗団だったんやで。すごいやろ」
駐車場に置いてあるポリスカー風のスイスポは昔、香織ちゃんが警察から盗んだ車らしい。昔、自動車の窃盗団だったとはすごいね……。さすがだ。
駐車場から草のトンネルを抜けて、私と香織ちゃんは隠れ家の正面へ向かう。
香織ちゃんの隠れ家の外観は茶色いレンガに壁に草があちこち生えていて、ボロい。お世辞にも綺麗とは言えない。
香織「さぁ、入るで」
私と香織ちゃんは隠れ家に入る。
香織「ただいま平ちゃん、帰ってきたで」
隠れ家に入ると人の女性がいた。髪は青色のロングヘアで、それをツーサイドアップ風のツインテールに縛っている。
この人はどんな人だろう……。
青髪ツーサイドアップの女性「おかえり香織」
香織「紹介するで、この人は平ちゃんこと平野や。うちの親友やで」
香織ちゃんの隠れ家にいる女性の名前は平野さん、香織ちゃんの親友らしい。香織ちゃんは平ちゃんと呼んでいる。
平野さんは私を見る。
平野「香織、後ろにおるかわいい女の子は誰やァ?」
香織「あぁ、こいつは……」
美鈴「私、小山美鈴ですッ!」
平野「美鈴ちゃんか──かわいいなぁ」
平野さんは私に近づく。
平野「チュッ!」
平野さんは私にキスをしてきた。
美鈴「なァ、なんでいきなりキスしたのォ!?」
平野さんがキスした理由を聞く。
平野「それはあんたに一目惚れしたからやァァァァァァッ!」
美鈴「えええええェェェェェェッ!」
平野さんは私に一目惚れしたからキスをしたという。
もしかして、私のことが好きなのォ? 嘘だと思うけどォ……。
香織「今ごろやけど、平ちゃん、晩ご飯と明日の朝ご飯を勝ってきてや。スイスポに乗って、サイレン鳴らしながらスーパーに行ってくれ」
香織ちゃんは平野さんに晩ご飯を買ってきてほしいと頼む。
平野「了解やッ!」
平野さんは了解し、スーパーへ行く。
平野さんが昔、香織ちゃんが警察から盗んだスイスポに乗り、スーパーへ行ったので、香織ちゃんに平野さんとスイスポと関係を聞く。
美鈴「香織ちゃん、駐車場にあるスイスポって、平野さんの物なのォ?」
香織ちゃんは答える。
香織「スイスポは平ちゃんのもんじゃないでェ、買い物とかに使わせとる。うちのEK9で行ったらサツに追われるからなァ。スイスポに乗ればうちらが警察」
スイスポのポリスカーは平野さんの物ではなく、警察に追われないようにスイスポで買い物に行かせているらしい。ロードスターやEK9では警察にすぐ追われるねェ。
次に香織ちゃんは家事の事について言う。
香織「家事はすべて平ちゃんがやってくれるでェ。洗濯とか料理、掃除とかや」
家事はすべて平野さんがやってくれるとはすごいィッ! まるでお母さんだ。
私の黒い脚のすぐ近くにチラシが落ちていた。私はそれを拾う。
美鈴「これなんだろうゥ……読んでみようか」
この拾ったチラシを読んでみた。
美鈴「ふむふむゥ……聖市中央モーターワールドでレースを行います。参加したい人は当日にこの聖市モーターワールドに来てください。ただし警察が来たらサイレンを鳴らして中止にします。by主催者」
内容的には聖市にあるサーキット・聖市モーターワールドでレースを行うということだ。しかし、ここは自動車に乗ると犯罪になる街・聖市。サーキットを走っても犯罪だ、警察がサーキットに来て、参加者を追いかけてくる。
聖市のサーキットは、現在警察車両のテストコースになっている。
あと「by主催者」の主催者は聖市の走り屋だ。
美鈴「んゥ……参加しようかなァ……」
香織ちゃんも私がもっているチラシに興味を持ち始める。
香織「何見てるんや……聖市モーターワールドでレースします、かァ。これは参加したほうがええでェッ! もしサツがサーキットに来たら、楽しんでレースをしとうのに逮捕されたやばいことになる。うちらが参加者を守るべきやッ!」
参加したほうがいいと香織ちゃんは言う。
参加者は楽しんでレースしているのに、レース中に逮捕されたら可哀想だ。
美鈴「うん、参加者の楽しみを奪う警察は許せないよ。香織ちゃんが言うなら参加する」
私は参加を決めた。
香織ちゃんはチラシの開催日を見る。
香織「待て、当日って何日やァ……△月×日……明日かァッ!」
サーキットのレースは明日らしい。
香織「明日サーキットに行くでェ、忘れんなよォ!」
美鈴「う、うん」
決めた、明日サーキットに行くことが決定した。
買い物に行って15分後、平野さんが戻ってくる。
香織「おかえり平ちゃんッ!」
平野「ただいまァ、香織ィ、今帰ってきたでェッ!」
その後──私は平野さんが作る晩ご飯を食べ、香織ちゃんと一緒にお風呂に入り、午後8時にこの隠れ家で1日を終えた。
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翌日、午前7時30分。
起床し──私は平野さんが作った朝ご飯を食べていた。
美鈴「平野さんが作った朝ご飯、美味いねッ!」
平野「どうやろォ、うちはプロの料理人より料理がうまいでッ!」
美味しい。ここの隠れ家に来て良かった。
美鈴「ごちそうさまでしたッ!」
私は朝ご飯を食べ終えた。
香織「ごちそうさまでしたわァッ!」
香織ちゃんも食べ終える。
香織「美鈴、すぐサーキットに行くでェ」
ええ、今すぐサーキットに行くのォ?
香織「レースの開催時刻は9時やから早よう行かんとォ、平ちゃん、美鈴と一緒に行って来るでェ」
外に出て、道を塞ぐ草を抜け、駐車場に行く。私はロードスター、香織ちゃんはEK9に乗る。
美鈴「行くよォ!」
隠れ家を出発し、サーキットへ向かった。
午前8時、聖市モーターワールド。
聖市モーターワールドは聖市にあるサーキットの一つ。
かつてはタイムアタックやワンメイクレースなどの様々なレースが行われたサーキットだった。今は警察車両のテストコースになっている。警察のテストコースになった今でも走り屋たちが勝手にレースを開催している。
(視点が香織に変わる)
うちらはサーキットに着いた。
参加者(女性・20代・朱色ツインテール)「あんたも参加者ァ?」
参加者の1人が話しかけてくる。
香織「そうやで、うちらも参加者や。あんたを警察から守るためにレースに参加するでッ!」
参加者「あたしらは逃げ足が早いよ。警察から捕まらないと思うよ」
いや、サツは速い奴は来ると思うで。
美鈴「警察が来たらァ、参加者たちをどう守ればいい?」
美鈴が聞いて来る。
香織「サーキットを出て行くように言えばいいんや」
うちは答えた。
参加者はうちと美鈴が守るんやでッ!
(語りが美鈴に変わる)
私と香織ちゃんがサーキットに来て1時間後、参加者たちはスタートに集まった。
参加者は12名。参加マシンと順位は以下の通り。
1位:チェイサー(JZX100)
2位:パルサーVZ-R(JN15)
3位:シビック(EG6)
4位:デミオスポルト(DE5)
5位:シビックタイプR(EK9)(澤香織)
6位:シルビア(S13)
7位:BRZ(ZC6)
8位:ロードスター(NB8C)(小山美鈴)
9位:マークII(JZX110)
10位:インテグラタイプR(DC2)
11位:セリカSS2(ST202)
12位:86(ZC6)
私は8位スタートで、香織ちゃんは6位スタートからだ。周回数は3周。
(ブオン! ブォオオオオオオオオンッ!)
香織「行くでェッ!」
ランプの色が青緑に変わり、車たちは一斉にスタートした。
まず、第1コーナーのゆるやか高速右コーナーに全車は入る。
香織「2台抜きやァッ!」
香織ちゃんは第1コーナー白のEGと緑のデミオスポルトを追い抜き、3位に。
第1コーナーのすぐは第2コーナー。ここは第1コーナー同様の高速コーナーだが、第1コーナーとは逆でここは左コーナーだ。
コーナーの途中、白の110型マークIIに抜かれる。
美鈴「抜かれたッ! けど、1周目はレースよりコースを覚えるほうが先ッ!」
1周目はレースより私はコースを覚えることに集中する。
第3コーナーは第1コーナーとほぼ同じでゆるやかな高速右コーナーだ。
第2コーナー同様、後ろの車に追い抜かれる。
美鈴(順位なんか気にしないッ!)
第3コーナーの後はシケイン。シケインの次は高速セクションだ。それを抜けて第2シケインを超える。2連続ヘアピンに入るとここでST202に抜かれる。ヘアピンの後は3連続90度カーブ。途中、86に抜かれ、最下位へ転落してしまった。90度カーブの後は短い直線を抜けて7連続ヘアピン。それをクリアすれば1周目が終了だ。
美鈴「ようやくコースを覚えた──ここからは本気で行くよォッ!」
2周目に突入、レースはここから本番。
心配なのは警察がこないかだ……。
警察が来るか来ないのか、どっち!?
ようやく間に合った……。