前編
※読んで頂くための注意。
この物語はフィクションです。登場するキャラクターは実在しません。
実際に運転する時はシートベルトを締め、ルールを守って安全運転でお願いします。
後、この物語は警察を悪役として登場させていますが、実際にパトカーに妨害することはやめてください。
聖市……。ここはかつて、日本で唯一公道でレースする事が許された街だった。
しかし、聖市の市長は『自動車なんて、つまらない。人間をおかしくする』と言って、ある法律を作り、走り屋達の姿が消えていった。
その法律の名は『自動車運転禁止法』と言い、この法律は政府関係者以外と警察以外は自動車を運転することが禁止されている……。
警察は、今日も聖市を走るすべての自動車を狙っている。
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私、小山美鈴。平安時代の女性のような前髪ぱっつんの黒髪ロングヘアで、小学生のように体の小さい女の子。年齢は16なので運転免許証持ってないけど、ドリフトが上手い程の運転テクニックを持つ。
しかし、私は警察に追われている。なぜならクルマを運転しているからだ。
この街は自動車運転禁止法という法律があり、一般人は車に乗ることが禁止されている。バスもトラックも同様。
一般車が1台も走っていない高速道路で、私は愛車の青色のNB8C型ロードスターで警察から逃げていた。
「車は青のNB8C型ロードスター! 時速140km/h以上で走行中!」
「自動車運転禁止法から逃げきれると思っているのか?」
警察は青と白のZC31S型(2代目)スイフトスポーツで追いかけてくる。数は2台。
「いまから目標の車に体当たりする!」
警察は私の車のリアバンパーに体当たりを仕掛けた。
(ゴオン!)
「わぁ!」
ぶつけられて、私のロードスターはスピンをしそうになった。
しかし、私は自分のテクニックで立て直す。
「くそったれ……立ち直りやがって」
(ガタッ!)
「突撃するよぉ! ロードスター!」
右リアフェンダーを押して、警察のスイスポをスピンさせる。
「か、怪物め! スピンさせやがって!」
私はもう1台にもフェンダーにプッシュ。
(ガン!)
「青いNBロードスター、覚えろよ。いつかは返り討ちにしてやるからな」
2台を片付けた後は、カーブを右に曲がって高速道路を脱出し、私は市街地に入る。
しかし、市街地にも警察がいた。しかもさっきの高速道路より1台多い3台だ。
「また来たね! 警察!」
「高速道路で暴れたロードスターよ、ここでは負けないぞ!」
「さっきの2台の仇を取ってやる」
狭い市街地でも追跡が始まった。
突然、デパートの窓から1台のJDM風の赤いEK9型シビックタイプRがジャンプして飛び降りてくる。
デパートの窓から現れたEK9は警察車両1台を時速130km/hで体当たりして激しくスピンさせ、スピンさせられた車両1台は建物に衝突した。
(バン!)
「おのれ! 高速道路で暴れたロードスター……いや、赤い車め!」
「警察よ、覚悟しいや」
あの警察の車を1台破壊したEK9は味方だろうか。
私はあの車についていく。
「ロードスターとEK9、さっきやられた奴の仇を取ってやる!」
警察の車2台は私のロードスターと前のEK9を全力で追いかける。
しかし、車のパワーが無さ過ぎたせいか……。
「くそっ、相手が速すぎる!」
警察は私たちの車についていけなかった。
「うちらについていけなかったようやな、サツ。行くでEK9!」
「後は赤いEK9はついていこう。この車はついてきてと言っている」
警察の眼から逃げ出し、見つからないようにするために隠れ場所を探す。
「ここや! ここならサツに見つからないぞ」
EK9が見つけたのは地下駐車場。ここは窓もなく、全体は壁や屋根で覆われている。警察からの眼には無いからいいはず!
私はEK9について行き、駐車場に入る。
駐車場に止まるとEK9乗りの人がやってきた。
性別は女性。背は私より15cm高い。肩まで伸びたセミロングの茶髪に、頭に真っ赤なバンダナをしている。服装はバンダナと同じ赤色のタンクトップに、藍色のジーパン。
「うちの後ろについてきた人、初めましてやな。名前はなんや?」
関西弁で喋るEK9乗りの女性は私の名前を訪ねた。
「私は小山美鈴。16なので免許持ってないけど、車の運転は上手いよ。ドリフトはできる」
「へぇ~免許取っていないのにドリフトできるんやな」
EK9乗りは自分の名前を言う。
「うちは澤香織、警察と戦っているで」
彼女は澤香織という名前だ。
「私も警察と戦っている。ここで車が走れるようにと」
「一緒やな! さてと、ラジオで警察の様子を聞くか」
香織と名乗る少女は警察の状況を知るためにEK9のラジオの電源を入れる。
「お知らせです。逃走車の行方が分からなくなったので追跡を急遽中止します」
追跡をやめると発表し、これに香織ちゃんは喜んだ。
「やったで、サツが追跡中止を発表をした!」
「追跡を中止し、全車撤収してください」
「警察はもうおらんようになったから、隠れ家に行くで」
「でも、また警察に見つかるかも知れないよ」
現在、聖市には私と香織しかいない。警察にすぐ目立つ。
しかし、香織は……。
「見つからへん見つからへん。隠れ家はこの駐車場の正面にあるで。この隠れ家はうちが住んでいる所やからな」
「じゃあ近いね。見つかる心配はないかも!」
私たちは駐車場を出て、香織の隠れ家に向かう。
新しく始めた小説です。
内容は走り屋VS警察で、全3話にする予定です。