4、「・・・ゴリラ!?!?!?!?」
岡田瀬斗は至ってごく普通の女子中学生だが、赤星中学校では喧嘩をフっかけちゃ いけない人No.1で有名だ。
理由はただ1つ。
喧嘩においては読んで字の如く、無敵だからだ。
例えば入学式。
寝坊して髪を結び忘れ、走りながら結んでるときに腕が中2の鈴木君に当たった。
鈴木君といえば中3最凶の生徒で知られていた生徒である。
当然、ナメとんのかワレボケこるぁぁ的な感じでか弱い新入生につっかっかっていった鈴木君。
『お前ぇ、俺が誰だか分かってその腕当てたんか、おいいいいい!!!』
ものすごいスピードで振り下ろされる拳!!
し、新入生がああああ!!!!
と、誰もが目を見張ったその時。
『知らねぇにきまってんだろが、ボケええええ!!!!』
とシャウト&キン蹴りでまさかの鈴木君一発KO。
当の本人はそんなこといざ知らず、教室に駆け込み乗車中だ。
この日から瀬斗は赤星中最凶の女になった。
まあお察しいただけると思うが、売られた喧嘩は死んでも買うぜなめんなコラ。な瀬斗があんな挑戦的 な態度であんなことを言われたら、こうなる。
「あ?人の頭殴っといてそりゃねえだろーが!!!」
そして某S君を思い出させるキン蹴り一発。
まさかキン蹴りを食らうとはまったくもって予想していなかった青年の顔は、男にしか分からないなん とも言い表しがたい苦痛に歪む。
「ぁ・・ふぉ・・・・・・・・」
青年がしゃがんだのでそこで瀬斗は初めて青年の顔が見れた。
・・・思ったよりかっこよかった。
まあ少なくともクラスの男子よりはかっこいい。
その顔が今とんでもない顔色で歪んでいる。
しかしその原因である本人はどこ吹く風だ。
「トシ?来たか?
・・ん~?トシの声が聞こえた気がしたんだが・・・。」
そういいながらのっそりと道場から人が出てきた。
「・・・ゴリラ!?!?!?!?」
道場から出てきたゴリラ似のその人物は股間を押さえ悶絶しているトシと呼ばれた青年と異国の服を着 た子供を見た。
「・・え、何があったんだ・・?」
・・・・まあ誰も何が起こったかはこの状況じゃあ分からないだろう。