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第0話:新たな世界へ…

こんちわ,健康に生きる尾床です。前作AETERNA~It is an amrit and it is those who recover about invulnerability~ の続編に当たる作品です。前作はシリアス路線でいきましたが,今回はハーレムでいきたいと思います。ひょっとしたらシリアスに入る,いや,入るかもしれません。しかし,ハーレムであることを重視して描いていきたいと思います。この作品は本当はそのままAETERNA~It is an amrit and it is those who recover about invulnerability~ の続きで書こうかと思いましたが,第一部とあまりにも雰囲気の格差が出てしまうことや第一部のシリアスがひょっとしたら好きな人でイメージを壊してしまうかと思い,分けさせていただきました。初めての本格的なハーレムを目指していきます。どうか,宜しくお願いします。一応,前作も一緒に読んでくだされば,より楽しめるかもしれません。

リーゼとお別れしてもう十年。


ボクは世界中を転々としていった。


色んな人との出会いがあった。


悲しい別れもあった。


けど,その全てがボクの糧になっている。


リーゼの言ったとおり,素晴らしい出会いがたくさんあった。











リーゼとお別れして二十年。


もう世界中を行き尽くしてしまった気がする。


何度世界を回っていったんだろうか。


あれから色んな人と会った。


「君,私の小姓にならんか!良い生活をさせてやるぞ!」


何だか偉い貴族に話しかけられた。


けど,死んだお父さんは言ってた。


貴族の人に声をかけられたら気を付けろ。


権力闘争に巻き込まれると。


権力闘争の意味が分からないけどお父さんの言葉は正しいだろう。


だから,ボクは丁重にお断りした。


「ぐっ!残念だ…」


偉い貴族はまるでこの世の終わりみたいな絶望的な声を出していた。


そんなに残念だったんだ。


少し悪い気がした。








「ねえ,君。可愛いわね。私と良いことしない?」


今度はお姉さんに話しかけられた。


そういえば,リーゼは言っていた。


『君に話しかけてくる女は大抵危ないことを考えてるの!だから,絶対ついていったらダメよ!』


リーゼはボクが外に散歩するときいつもそう言って注意してたんだ。


それにリーゼはボクに女の人が近づくと凄く不機嫌になる。


『絶対ダメよ!』


なぜかボクの頭にリーゼの声が響いた感じがした。


だから,ボクは丁重にお断りした。


「ぐっ!初めてだわ!私の誘いを断る男がいるなんて…でも,私は諦めない!」


なぜか,お姉さんの周囲の空気が熱くなってきた。


体が燃えてるんだろうか。


寒い日だったら暖かそうだ。












ボクは森の中で倒れている人がいるのを感じた。


息づかいが苦しそうだ。


怪我をしてるんだろうか。


血の匂いもしてくる。


ボクは息づかいが聞こえてくる所に走っていく。


体を触って胸が膨らんでいるところから女性だ。


それにしても服を着ていない女性だ。


これは下着なんだろうか。


風邪引きそうな格好だ。


触った手がぬるっとした感触がしてくる。


おそらく怪我から流れた血なんだろう。


ボクは女性の体に触れて治れと念じる。


「ううん…」


息づかいも安定し,落ち着いたみたいだ。


ボクは女性の肩を揺さぶった。


下着だし,このままだと風邪を引いてしまうだろう。


起こさないと。


「お前が治してくれたのか?」


女なのに男のように低い声。


ちょっと怖い。


ボクが助けたことを女性に告げる。


「ありがとうな,それにしても凄いよな。結構ひでえ傷だったのに,新品になったかのように治ってるぜ!」


近所の子供みたいな口調だ。


なんか関わったらいけない気がした。


ボクの勘は結構当たるんだ。


「俺の名前はサーシャだ。お前の名前は?」


この女性はサーシャっていうんだ。


名前は女性らしいのに何て男らしい感じだろう。


ともかく名乗られたからには名乗り返さないと失礼だ。


ボクはエテルナ。


「エテルナか!詩的で良い名だな!」


リーゼにも言われた言葉だ。


何だか懐かしい感じがした。


「それに何て綺麗な顔してやがるんだ!天使でもお前みたいな綺麗な奴いないぞ!思わず涎が出そうだぜ…」


天使でもいない。


サーシャは天使に逢ったことがあるんだろうか。


そういえば,アスタロトが作った天使は気持ち悪かった。


ボクは気持ち悪く見えるんだろうか。


それにしても何だか聞いてはいけないことも言ってた気がしたけど,無視しておこう。


何だか怖かったから。


「お礼に何か願いを叶えてやるぜ!何でも言ってみな!」


願いか。


だったら楽しい所に行きたい。


世界を何度も回ってるからちょっとは違う所に行ってみたかった。


「お安いご用だぜ!さあ,俺の背中につかまりな!」


背中につかまる。


おぶってくれるんだろうか。


ボクは背中に触れようと腕を伸ばした。


「おい!どこ触ってやがる!くぅ…止め…ろ…」


何だか柔らかいものに触れてた。


これは胸だ。


リーゼは言っていた。


『エテルナ,私以外の女性の胸に絶対触らないようにすること!それはとっても失礼なことなんだからね!』


ボクはすぐに胸を離してサーシャに謝った。


それにボクは目が見えないことをまだサーシャに言ってない。


ボクは自分が目が見えないことも話した。


「ま,まあ,エテルナだったら,別に…胸ぐらい…触らして…………いいけどよ…。そうか。目が見えなかっだんだな!大変だっただろ?」


ボクの顔に吐息がかかる。


多分,サーシャはボクの顔を覗き込んで心配してくれてるんだろう。


サーシャはいい人だ。


ボクは目が見えなくても空気の流れでだいたい分かるんだ。


「僅かの空気の流れで空間認知か…。凄いなお前は…よし!気に入った!俺の世界のとこに来いよ!連れてってやるぜ!」


ボクの体にサーシャの腕が回される。


顔に何かが押しつけられる。


サーシャの胸だ。


リーゼの胸は羽布団のように柔らかかったけど,サーシャの胸はゴムのような柔らかさだった。


どこに連れて行ってくれるんだろう。


「よし!これから案内してやるぜ!俺達の世界,地獄にな!」


地獄。


サーシャは何を言ってるんだろう。


地獄は悪い人がいく所のはずだ。


「地獄は楽園だぜ!何でも欲望のままに生きていけるんだからな!エテルナ,お前は運がいいぜ!楽園にいけるんだからな!ははははははっ!」


ボクは運が悪いのかもしれない。


やっぱり関わるべきじゃなかった。


けど,これがリーゼの言う素晴らしい出会いなのかもしれない。


ボクはサーシャと共に地獄へ旅立っていく。


そこにどんな出会いがあるのかを楽しみにして。


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