世界を紹介する
見とれていた物は何時まで経ってもそこにある。
だが、消えない物があるならば、必然的に消える物がある。そうだな。消える物はとてもとても美しくあられる。
音が無くなった世界のように、
1つ1つの動きが色鮮やかに見える。
その動きが綺麗でとても儚くて、
僕が見たこの景色が1つの世界にあるってことを、
皆に自慢したくなった。
ここは音が作った世界だ。
これからも僕はこの世界で生き続けて、
最終的に脆くて儚い命として生を成し遂げる。
あぁ_ずっとこの世界を愛し続けて生きてたい。
八月に飲むラムネが最後に鳴らした音を、
ずっと脳内で流していたあの昼間。
昨年の夏は猛暑日が続き熱中症を訴える人、
病院に運ばれる人が続出していた。
そんな中、夏対策が進化していった。
汗を流しながら夏服を紹介してる番組を横目で見て目を逸らしてたなと昔話のよう思い出す。
それに比べ今年は涼しく、猛暑日はあったもののほんの数日だ。せいぜい4日間であり、こんな僕でも覚えてるほどだ。そんなことを考えながら、涼しい風を肌で感じていた。「涼しいな」と思っていたら、どうやら口に出てたみたいで、「__なぁ。」と後ろから呼ばれて振り向いた。そこには僕と同じ年齢らしき少年がいた。そんな呼び掛けに僕は呟いた。「どっか………ない…かな」言い放った言葉に首を傾ける少年。ちゃんと聞こえてなかったんだろう。黙っている僕に向かって、なんて言ったのかと問われ、もう一度同じ言葉を言い放つ。「ごめん。…どこから来たの?」
同じ言葉を言いたかったけど言えなかった。
少し少年が怖かった。急に現れて、初対面だと言うのにもう一度伝えるなんて僕には無理だった。そんな僕はまだ幼いんだと不意に知らされる。
それに加え、君の瞳は太陽のように輝いていて、
常に考えてる僕の思考を読まれそうになって、
引き込まれる。引き込まれないよう気をつけなきゃ。僕の中で生まれた警戒心を汲み取るように少年は言った。「名古屋から来たんだ。俺はイツキ。お前は?」
「…ホトリ」「ホトリって言うんだ…カッケーな!」
「あはは、そう…かな?」微笑で誤魔化すのは、
少し変な気分だな。
「ここ、なんかすげーのな。きれーで好き!」
僕がいつも見てるこの景色は、心を休めてくれる。
自分が好きな物を好きだと言ってくれた
君が心から嬉しかった。
「そう…思う?僕ここからの景色好きなんだ。」
「好きだからそう思ってくれるの嬉しいな…」
「 あっ!今なんか光った!」
「えっ?」
「ほら!あっち!赤く光っててカッケーな!」
「何だろう。あれ」
あの赤い光は何だろう?
僕にもまだ知らない何かがあるのかな。
そう思いながらふと君を見たら、あの赤い光に
吸い込まれそうで僕も一緒に吸い込まれる勢いだった
「ね、ねぇ。あ、危ないよ…あんまりそこに乗っからない方が…」
「大丈夫だって!」
「下に危ねぇもんねぇし」
「で、でも!」
「ここ、噂があるんだ。」
「ウワサ?」
「そう。ここから落ちたら戻って来れないって」
「へぇ〜」
「こ、怖くないの?」
「怖くないね!だってオレつえーもん」
「お、落ちないでね…」
木に潜む蝉が鳴りながら、今日の縁を切る。
「またな!」と元気よく手を振って走ってく姿を見て
「じゃあね」と君に呟いた。
最後までかっこつけたいのは私が幼いからだ。
幼さを理由にするのは未熟だな。
文豪になりきれずに中途半端な著書だと
周りが見たら、痛々しいだろう。
だが、これは私がやりたくてやる物語だ。
やると決めたらここで終わる訳がない。




