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もう何もいらない。

作者: kaeri

 体重32kg。身長160cm。現在の私はこんな感じだ。棒のような手足、まったいらな胸。女の曲線なんか一個もない。唯一女だとわかるのは、腰まで伸びたロングヘア。

 半年前までの私はこんな骸骨じゃなかった。細みな部類には入るが今より10k以上は体重はあった。自分でもびっくりしている。

 きっかけはちょっとしたダイエットだった。 

 「ゆりちゃん最近ちょっとふっくらしたね。」

 「えっ、そうかなぁ・・・」

 こんなこといわれたのは生まれて初めてだった。いつも細いね、スレンダーだね、っていわれているのに・・

 その日から私はダイエットに励んだ。自分はめんどくさがりだから、食事制限で減らすことにした。3食春雨スープで2週間であっという間に体重はもとにもどった。

 でも、すっかり胃が小さくなってしまったのかあまりお腹がすかなくなった。食べ物に興味もわかなくなった。前は大好きだったケーキ、アイスクリーム、お菓子はいっさい欲しなくなった。というかそんなものなくても私は生きてける。お金の無駄。私はおにぎりとサラダと水分があればいい。

 そんなことしていたら、半年後にはこんな体型になっていたのだ。

 「ゆりちゃん、どうしたの?なんかあった?」

 「お前、変な薬やってるんじゃないよな?」

 友達や親からはこんなことばっかりいわれる。

 てゆうか、私なにも悩みないし、薬もやってないんですけど。ただね、いらないものどんどん捨てていったらこうなっちゃったわけで。気分は超ハッピーでいたって健康体なんです。

 はじめはダイエットだったんだけど、今は肉がなくなっていくごとに気持ちが軽くなっていくのがわかる。もう何も考えたくない。だから、今の私の楽しみは、棒のようにやせ細っていく手足を観察するのが日課だ。けっして私はおかしくない。いわばこれは修行なのだから。

すべての摂食障害の方がこういう考えの方とは限りません。物語としてお読みください。

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