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EXITRA EPISODE1 アークトゥルスの愛

米国への侵攻はすぐに終わった。


「まぁ戦力差違い過ぎるから当然か」

アクトゥールスが冷静に分析した。


米国については西部、東部と中部地区に分割し国を分けた。もともと強すぎる国だしこれくらいした方が良さそうだ。

アメリカが動けば誰も止められない。その異常事態を阻止したかった。もっともわれわれアンドロイド部隊も絶対に止められないのだが、味方だからよしとした。


人民を従えることは、アンチと非難が生まれやっかいなのでグリーンランドにした。寒い場所だけどみんな平気だし。俺も平気だしここがいいと思う広大な家と庭をつくり遊びたいと思うんだ。もちろんアメリカの金で。


「壮太、先日の戦いで能力が削られてるのを感じた。初めてだ」

アークトゥルスは率直に答えてくれた。

謎アンドロイドパワーを抑え込む研究、やはりもう進んでいたのか。


「ペンタゴンを抑えて研究は麻痺してるはずだ。北極に拠点ができるまでペンタゴンで暮らそう」

遠隔操作で攻撃を仕掛けるかもしれない。

だが現時点でそれをやればお前らの負けだ。


中国、ロシア、イランと同盟を結び、純粋な軍事力だけで東海岸を襲うようお願いした。

彼らはアンドロイド部隊を出さないことを訝しんだ。

構わない。本気になれば出す。アンチアンドロイド装備はまだまだ完成しないはずだ。


「ペンタゴン居心地いいね。ここを基地にしたいくらいだ」

「敵の本拠地なんですよ?みなが変わり替わりにシールド貼る苦労をわかってください」

ましろの言葉は正論だった。


「このあたりのレーダー施設と監視システムは破壊しました」

ポルックスと更紗が報告にきた。

ましろとアクルックスはは敵の直接攻撃に備えている。

それを統括するのがアークトゥルス。

総力戦になっていた。


交代しないと彼女たちの身体が持たない。俺は時間割を組んでいた。

「アークトゥルス、ジャグジー入っておいで」

「う~ん、その前に能力削減装置が見当たらないのが気になるんだ」


確かに彼女の言う通りだ。戦力を削がれた上に敵のアンドロイドが出現したら戦局そのものが変わってしまう。

「その役は私が引き受けます」

ましろがさっそうと現れ、状況を理解しすぐに飛び立った。


「みんな帰っておいで。今日のとこはこのくらいにしておこう」

そう言ってアンドロイド5人を帰投させた。


「順番にジャグジーに入ったら食事を用意してあるから食べてくれ」

慣れない調理を頑張って、餃子や炒飯等をみなに食べてもらった。


「無理して大丈夫ですか?うつの症状が心配です」

「更紗ありがとう。でも今は躁が出ていて大丈夫なんだ」

大丈夫ではないがそう返事をした。



「来やがった。それも10体以上いる」

アークトゥルスの言葉は本当で多数の敵アンドロイドが接近していた。

「私は能力減衰装置を引き続き探す。4人は頑張ってくれ」

そう言うとましろは出て行ってしまった。


ペンタゴンを囲む量産アンドロイド、彼女たちの能力は減衰されていてどこまでやれるか不明だった。

「ましろに装置のことは任せて俺たちは戦うぞ」

主語を変えた時のアークトゥルスは本気だ。

「無茶はみんなするなよ?勝てないと思ったら俺を見捨てて逃げろ」

アクルックスはっきりと首を振り俺の言葉を否定した。


みんなを見送ると俺はベッドに倒れこんだ。限界だった。

「無理をしていることを知ってしまうとみんな怒るだろうな。いや、悲しみにくれるのかな。でもやることはやってからにしないとな」

そんなに長い期間ではないが、彼女たちとの想い出を思い出した。


「へん、俺たちが弱くなってもお前らはもっと弱い。出直すんだな」

アークトゥルスは次々と敵を倒していったが強がりだった。もう彼女に力は残されておらず、得意の打撃も出せなくなっていた。

「あなたは無理し過ぎよ。姉に任せなさい」

そうアクルックスが言った時に戦闘に合流したましろがみんなを制止した。


「わたし一人でいい」

みんなは制止したが構わずましろは敵に特攻をかけた。

剣と銃、徒手格闘もこなせるましろ。

だがそれは問題じゃない。

もともと巨大な力を持っていた彼女には能力減衰装置はほとんど効かず、蒼いオーラを纏い敵のアンドロイドを次々と真っ二つにしていき敵をすべて殲滅した。


しかし拠点に帰ると壮太がベッドで真っ青な顔をして横になっていた。

「すまない。足手まといになってしまったな」

不安そうな顔をしながらアークトゥルスがやさしくキスをしてくれた。

彼女に感謝の言葉をいうと俺はまた目を閉じた。


「明日からアークトゥルスを基地に置いていきましょう。理由は彼女の壮太への愛が一番大きくて深いからよ」

ましろの発言だったので他のメンバーは唖然とした。


「ましろ、アークトゥルスに彼を渡してしまうつもりですか」

アクルックスは率直に聞いた。

ましろはにっこりと笑うと自室に戻ってしまった。


翌日は敵は現れずみんなで休暇を取った。

アクルックスだけでなくポルックスたちもましろの昨夜の発言に驚いていた。

「先走りすることがよくあるましろです。あまり気にしないようにしましょう」

アクルックスは自分に言い聞かせるようにみんなに話した。


看病をポルックスに変わったアークトゥルスが部屋にやってきた。

アクルックスはなんて言葉をかけていいかわからない。

「アークトゥルス、あなたは壮太さんを一生守れますか」

「肉体が滅びてもあいつを愛し守り続ける」

やはりこの子の愛が一番大きいんだ。姉としては誇らしかったが複雑な感情も込み上げてきた。みんなで彼を守るものだと考えていたから。


「守り切って俺が死んだらあとは姉貴たちにお願いする」


不穏な発言だったが、アークトゥルスの愛の大きさが姉には十分伝わった。








































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