最終話 未来の視える少女は…
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「未来の視える少女は、幼馴染の命運を知っている。」を短編にまとめたものも投稿しました。
『人の心が読めるんだ』
心が読める?私の考えていることは、筒抜けだったってこと?
「そうだよ。今までどんな妄想していたかも、全部」
「変態!」
カァッと顔が赤くなる。心が読めるなら、早く教えてよ!心の声ダダ漏れだったなんて、恥ずかしいんだけど!
「ごめんって。今も、言う気はなかったんだ。だって、心を読まれるかもしれないって警戒しながら一緒に居るの、嫌だろ」
「むぅ、嫌だけど、嫌じゃ…ない」
私は、どんな碧羽でも好き。私をここまで想ってくれる人なんて、全世界を探しても他に居ない。
「それって」
「皆まで言わなくても分かるでしょ」
「心結の口から聞きたい」
意地悪。私の口からは自然と、一生打ち明ける気のなかった思いが溢れ出す。
「私は、碧羽のことが好き。ずっと昔から」
「僕もだ。だから、『僕と、付き合って欲しい』」
未来なんて、どうなるか分からない。その時視えた未来は次の日には変わるかもしれないし、元々、未来なんて視えていないのかもしれない。
だけど、これだけは断言できる。
——私は、碧羽を嫌いになることはない。
絶対に好きで居続けられる自信があるのだから。だから、
『——喜んで。これから、よろしくね』
この夜、私たちの初恋は、8年の時を経て成就したのだった。
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「未くん、〇〇社の株が3割増だ。凄いじゃないか」
「ありがとうございます。後、先週から苗字が心山に変わりました」
そう言って、薬指の結婚指輪を見せる。
「おお、それはめでたいね。おめでとう」
私は証券会社に勤めるようになった。また、碧羽は大手の商社に就職した。
安定して生活できるようになった私たちは、先日結婚したのだ。
これは、未来の視える少女「心結」が、幼馴染の「碧羽」と結ばれ、幸せになるまでの物語。
——完
tx!:)
ありがとうございます(╹◡╹)