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23話:隣国の王子にまつわる情報が入ってきました

 

「それで、調査のほうはどうなったの」

「色々分かったわよ~。知りたい?」

「早く教えなさいよミント」

「うふふ、エリルはせっかちさんなんだからぁ」


 しばらく一人で考えたいというフィーリアの前から下がり、二人はいつもの使用人控え室で待機しながら情報交換を始めた。


「まず、アイデルベルド王国で少しおかしなことが続いているのよね~。たぶん、ローガン様がこちらに留学してることに関係あると思うの」


 ミントが調べてきた内容は以下の通り。


 まず、ローガン自身について。

 彼は裏表のない性格で国民から慕われている。非常に優秀な青年で、弟妹たちとも関係は良好。次期国王として期待されているという。


 しかし、アイデルベルド王国の高位貴族の令嬢はほとんど王都に居ない。みな地方にあるそれぞれの領地で暮らしている。

 以前ローガン王子には婚約者がいたが、原因不明の死を遂げている。それ以降も彼に近付く令嬢に災難が続き、誰も彼に近付きたがらなくなり、王都に令嬢がいなくなったのもこれが原因だと思われる。


「国内ではお相手が見つかりそうにないからわざわざブリエンド王国まできたみたいよ~」

「では、留学の目的は結婚相手を探すため?」

「そうね、それで間違いないと思うわ~」


 では、フィーリアに求婚したのは本気だったということだ。そこには何の裏もない。


 しかし。


「元婚約者の謎の死とか令嬢たちを襲った災難とか、そちらは解明されていないわけ?」

「ん~。詳しくはわかんないけど、とにかくローガン様に近付く若い女性は不幸に見舞われるっていう噂が流れてるのよね~」


 ただの偶然なら良いが、もし何者かの策略だとしたらローガンの側にいるのは危険だ。フィーリアは現在、貴族学院にいる間はローガンと行動を共にしている。主人に何かあってからでは遅い。


「私は明日から学院内を警戒するわ。それに、ローガン様の護衛にも話を聞きたいし」

「そうね、エリルがついてれば安心ね!」


 護衛の青年……ヴァインはいつも気配を消して密かにローガンを見守っている。彼なら先ほどの話の詳細を把握しているはずだ。


「それにしても、ミントはどうやって情報を集めているの? たった数日で隣国のことまでよく分かったわね?」

「うふふ、私も色んなお屋敷を渡り歩いてきたからね~。知り合いがいーっぱいいるのよ~」

「…………」


 エリルの問いに、ミントはウインクしながら笑顔で答えた。


 幼少期からスパルジア侯爵家に仕えているエリルと違い、ミントはまだこの屋敷に来て一年も経っていない。それなのにフィーリア専属に選ばれたのは、ひとえに彼女のメイドとしての能力の高さと、誰とでも打ち解けられる人柄のおかげだ。

 寡黙なエリルともすぐに仲良くなれた。


 そんな彼女だが、一つだけ欠点がある。

 一ヶ所の屋敷で長続きしないのだ。


「私の言動で男性の使用人を勘違いさせちゃうことが多くって、いっつもトラブルが起きちゃうのよね~」


 普段からこんな甘ったるい笑顔と喋り方をされれば勘違いする男は後を絶たない。使用人同士の口喧嘩で済めばいいが、刃傷沙汰になる場合もあったという。


「トラブルメーカーね」

「やだぁ、褒めても何にも出ないわよぉ!」


 断じて褒めてない。

 エリルは深い深い溜め息を吐き出した。


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