表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/12

俺の弁当・家宰

 朝。

 いつものように、異世界に行く。

 俺のご飯は、だいたい異世界で用意させているからね。



「ご主人様、本日のお弁当です。そしてこちらがお夕飯です」

「うん。ありがとう」


 異世界に魔法で移動すると、異世界側の自宅、自室に出る。

 他のところだと、何があるかわからないからね。こっちの管理人にも、俺が出入りする辺りには入らないように注意してある。


 で、自分の部屋を出て食堂に向かうと、用意されている朝御飯を食べ、昼飯と夕飯を受けとる。

 夕飯は基本的に作りおき。1日に何度も異世界転移はできないので、一回の移動で2食分受けとるようにしている。


「ご主人様。そろそろ醤油の在庫が切れそうだと、店から連絡が」

「分かった。明日にでも用意するよ。ついでに塩も補充するね」

「分かりました。伝えておきます」


 飯の管理は、雇った家宰がしている。

 彼は秘書みたいに、俺の周辺に関わる一切を取り仕切る。

 俺がこちらでやっている事業なども、基本的にはこの家宰任せである。


 俺は日本では一軒家で独り暮らしの独身貴族サラリーマンだけど、異世界ではそこそこ良い家に住んで、いくつもの店のオーナーをしているお金持ち。

 こちらでは元勇者の肩書きがあるため、金持ちムーブで実業家みたいなことをしているのだ。



 こうして金持ちになって思うのは、お金って、有る奴のところに集まり易いってこと。

 貧乏な時に頑張ってもたいして稼げず、金持ちの時にちょっと何かした方が儲かるってことだ。


 日本ではサラリーマンだし、そこそこの生活しかできないけど、こっちでは金持ちとして色々できる。

 昼飯に食べてるお高い御牛様も、異世界なら簡単に買えるのだ。そうやって高級品を常食できる。


 ただ、調味料をはじめ、日本で手に入るものの方が高品質で安いものもあり、そういった品は日本で買って、こちらに回している。

 日本で高級品を食べる機会が少ないので断言はできないけど、異世界の食材は日本のものより旨いものが多い。それを日本の調味料で料理すれば、まさに無敵。どちらが上とか言わず、両方の強みを活かして至高を目指すべきだろう。



 俺が経営させている会員制の高級料理店は、いつでも人気。予約でいっぱいである。月に二万円ほど調味料代が必要になるけど、利益は凄まじいよ。

 そこで作らせている料理が俺の弁当の試作みたいなものとは、みんなには秘密だけどね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ