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選択

父と母。時間内にどちらかを選ぶ。

選んだ方は助かり選ばなかった方は殺される。


時間内に選べなければ両方殺される。


私を一生懸命育ててくれた母。

私のために働いて行きたい大学に行かせてくれた父。


私が車に撥ねられた時もすぐに駆けつけてくれた優しい両親。


選べない…。どちらかなんて。


「選べない…お願いします 父と母には手を出さないでください」


私は震える声で頼む


「私は大切な人をアナタに奪われた…

だから私もアナタの大切な人を奪いたいの!」


「でも…どうやってここに連れてくるの…?

私の父と母は今の状況を知らないでしょ?」


私がそう言うと彼女の笑い声が聴こえた。


「アナタのスマホを使ったの…

助けてってメールを送ったらすぐに来るって…!

優しいご両親だね…」


「出来ない…私には出来ない」


「別に選ばなくてもいいよ?両方殺しちゃうから!」


そう言って彼女は狂ったように笑う。


何故好きな人と付き合っただけでこんな目に合わなくちゃいけないの?


「お願いします…両親だけは」

「お願いします…」

「お願いします…」

「お願いします…」

「お願いします…」

「お願いします…」


私は小さな声で彼女にお願いする事しかできない。


私のせいで両親が死ぬの?

私がこの大学に来たから?

私が車に撥ねられたから?


陽人くんに出会っていなかったら…


「陽人くんとは……」


「なに?聴こえないよ」


「陽人くんと別れます…私が陽人くんと別れたら私は貴方の大切な人を奪ってないでしょ…?」


暫く沈黙が続いた。


「それはアナタの本心?いいえ違う…!

アナタは両親を殺されたくないからそう言って私を騙してる…

でもね…もう遅いの

アナタがどんな決断をしてももう決められない


だって…もう時間切れだから…!」



インターフォンがなった。


「アナタのご両親がきたみたい…」


遠ざかっていく足音。

ダメだよ…なんで父と母が。

酷すぎる…。


「おい!未弥 大丈夫か!?」

「未弥ちゃん…一体何があったの!?」


両親の声だ。


「私はあなた達の子に大切な人を奪われたの…

だからあなた達を殺す…


サヨウナラ」


目隠しで両親の姿は見えないが

父と母の叫び声とナイフを振り下ろす音が聞えた。


何度も何度も何度も何度も…。


「いや…嘘だよね…嘘だ…」


「これは現実!アナタのご両親は死んだ!!」


「いやぁぁぁぁぁぁあ!!」


私は泣き叫んだ。


どうして…。

どうして私の人生はこうなってしまったの…?


彼女は笑っていた。


「そう!私はアナタのその声が…泣き叫ぶ声が聞きたかったの

どう?大切な人を奪われた気持ちは?

悲しいでしょ…苦しいでしょ…」


目隠しの下は虚ろな目をしていた。


「あれ…?壊れちゃった!

家族の死がそんなに悲しい…??

でも大丈夫だよ アナタも殺してあげるから」



私も死ねる…。

家族のところに行ける…!


私は自分が死ぬことを望んでいた。


もう生きていてもなんの意味もない。

私は生きることを諦めていた。

絶望を感じていた。


「陽人くんはこれで私のモノになる…!」



陽人くん…。

そうだ。私には陽人くんがいる。

陽人くんを置いて先に死ぬなんで…


私が死んだら陽人くんはどうなるの?

ストーカーの彼女に…。


ダメだ。


私は陽人くんを助けるって決めた。

だから絶対に陽人くんを助ける…。


父さんと母さんの死は決して無駄にしないよ…。



終わらせるんだ…。この崩壊ゲームを。

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