プロローグ
7月も後半に入り、俺、織原 恭夜も夏休みに入ろうとしていた。
「暑い~もうダメ、溶ける~」
1学期の最後のHRの時間に俺はろくに先生の話も聴かずにただ机に突っ伏していた...
「もうちょっとで終わるんだから頑張れよ...」
この呆れながらも話しかけてきたのは親友の真条 一輝だ。
一輝はクラスいや学年でも人気のあるイケメンのリア充だ、だが俺と一輝は幼馴染みと言うこともあり一緒にいることが多いのだ。
「はい、ではこれで1学期最後のHRを終わります。夏休みの間けが等の無いようにね♪」
先生のこの言葉を聞くと生徒は各々が話始めたり、帰宅していった。俺と一輝も少し話したあと、帰路についた。
一輝との帰宅中、俺は違和感を覚えた。通っている道はさほど人は多くないがそれでも一人や二人はすれ違う。それなのに今日は誰ともすれ違わない、それどころか人の気配がしないのだ。
「なぁ、一輝ここってこんなに人って居なかったっけ?」
「いや、流石にここまではなかったはずだ···」
どうやら一輝もこの違和感に気づいていたらしい。
「まぁだからといってなにかある何てのもないと思うけど、一応慎重に進もう」
「そうだな···いつも通る通学路をこんなに慎重になって歩くとはな~」
「その通りだな」
俺ら二人は慎重に進みながらもいつも通っているところだったので、なにか起こるとは思ってはおらず、笑っていた。・・・俺たちが笑って閉じていた目蓋を開けるとそこは、俺たちが歩いていた通学路ではなく暗い小さな部屋にいた。
「!?···な、なんだよ此処は‼」
「お、落ち着け恭夜こんなときこそ冷静にならないと」
「あ、あぁそうだな」
俺たちがそう話していると前から若い女の声が聞こえてきた。
「初めまして勇者様、私はリカエルン王国王女シエル・フィル・リカエルンと申します。」
「「はぁ!?王女!!!」」
「はい、私が勇者様を召喚させていただきました。ですが···なぜお二人もいらっしゃるのでしょうか?」
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話を聞くと、此処はエルメストという世界のリカエルンという3大大国の一つらしい、この世界には、魔法という概念が存在しており、文明レベルは中世のヨーロッパと同じようだが魔法が普及しているため、同じとは考えにくい。
「取り敢えずこの世界の事はわかったけど、どうして僕らを召喚?したのか教えて貰えないかな?あと、言葉が通じているという事も含めて」
と一輝は質問していた、俺も質問するつもりだったが一輝が必要な事はすべて聴いてしまっていた。
「はい、勇者様を召喚させていただいたのは、魔物を倒して欲しいからなのです。」
「?···え~と魔王とかではないの?」
「魔王···ですか?そちらはかつての勇者様が倒された後、200年もの間復活はしておりません。ですが、凶悪な魔物はかつての魔王が創造してから今まで倒されることなく破壊の限りを尽くしているのです。」
「つまり、その凶悪な魔物とやらを倒して欲しいと?」
「その通りです。」
「因みにその凶悪な魔物ってどんな奴なの?」
「ドラゴンやサイクロプス、キメラなどです。これらはいずれか一体でも国に牙をむくと1日にして、その土地を更地にすることが可能です」
「それって俺らに倒せるの?」
「倒せると思います。前の勇者様が残された文献によると勇者補正なるものがあるそうです」
うわ~絶対前の勇者、ラノベ好きだったな···じゃないと勇者補正なんて出てこねーだろ。
「まぁ、それはいいとして···取り敢えず」
「「どっちが勇者なわけ?」」
そうだ、話を聞く限り勇者は一人なのだ。つまりどっちかはただ巻き込まれただけということになるのだ。
「それを今から確認したいと思います。」
そう言ってシエルは装飾の殆どない銀色のブレスレットと小さな針を俺たちに渡してきた。
「そのブレスレットに小さな窪みがあると思います、その窪みに血を1滴垂らしてください」
俺たちはシエルの言う通りに血を1滴ブレスレット窪みに垂らしたすると血は固まり赤い水晶のようになった。
「その血昌石に触れてステータスと念じてください、そうすることでまずは自分だけステータスを見ることができます。」
とのことだった。俺は言われた通りにすると頭の中にイメージが浮かんできた
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名前 織原 恭夜 Lv ???
年齢 17
体力 測定不能
筋力 測定不能
魔力 測定不能
物理耐性 測定不能
魔法耐性 測定不能
敏捷 測定不能
スキル
剣術Lv MAX
拳術Lv MAX
飛翔Lv MAX
超回復Lv MAX
鑑定Lv MAX
魔法
火属性Lv MAX
風属性Lv MAX
土属性Lv MAX
水属性Lv MAX
光属性Lv MAX
闇属性Lv MAX
固有スキル
ステータス偽装Lvー
魔法創造Lvー
物質生成Lvー
称号
魔神 巻き込まれし者
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·····は?