ステータスを振ろう
容姿と名前が決まって落ち着いたところでステ振りを始めることにする。まずはステータスアイコンにタッチしてステ振りウィンドを開く。
「任意のステータスにポイントを割り振ってください。使用できるポイントは70ポイントです。」
「え!?多くない??」
確かβの初めのキャラメイクではステータスに振れるポイントは50ポイントだったはずだ、とポイントの詳細表示を開く。
「スタートボーナス50ポイント イベントボス単独撃破ボーナス20ポイント」
「おぅふ…」
兄の言っていた色々、の一部らしい。
「10レベル相当のステータス上昇って、盛り過ぎじゃない?」
β終了時のトッププレイヤーの種族レベルが大体20前後だっただろうから、アバター引継ぎ組の平均値に匹敵する数値になる。
「でもまあ、あの人らならイベントモンスター撃破付いてるだろうし、そこまでとんでもなくもない…のかな?」
考えこんでいても始まらないと思い直し、改めてステータスを見る。
【アイリス】
【ゾアンロードLv1】
生命力 10
パワー 15
スピード 15
器用度 10
知力 10
精神力 10
ラック 10
それぞれの項目の詳細にも一応目を通しておく。
【生命力】ヒットポイントやスタミナ、環境適応力に影響する。
【パワー】筋力。携帯所持品の総重量に影響する。また、関連スキルと影響しあう。
【スピード】素早さ。行動速度全般に影響する。また、関連スキルと影響しあう。
【器用度】手先の器用さ、行動の精密さ。主に精密作業の効率や関連スキルと影響しあう。
【知力】知識の豊富さ。多ければ「プレイヤーの知らないこと」にもシステムサポートが入る。
【精神力】精神的な強さ。状態異常耐性や関連スキルと影響しあう。
【ラック】運勢。ランダマイザーの補正値。
どの数値も高いには越したことがないが、例えば傭兵プレイを目指すならフィジカルな項目を重視するだろうし、生産・技術プレイなら器用度や知力が優先されるだろう。数値を2下げて割り振れるポイントを1増やすことで極振りも可能だが、パワーと生命力に極振りしたβプレイヤーの「巌」さんは「遅い、当たらない、メカの操作が分からない、すぐ気絶する」の四重苦で「沈黙の鉄壁」の二つ名を贈られていた。そこらをふまえて割り振ったのがこうだ。
【アイリス】
【ゾアンロードLv1】
生命力 10+ 5=15
パワー 15+ 5=20
スピード 15+10=25
器用度 10+20=30
知力 10+15=25
精神力 10+ 5=15
ラック 10+10=20
「うーん、もうちょっとどうにかなった気もするけど」
どうも小市民根性が顔を出して思い切った振り分けにできないようだ。ともあれ、ステータスをふったら、次は初期スキルの取得だ。