君も、君も僕らのように
「まあ、銃身交換してしまえば済むんじゃが、空間機動中にそれをするのも無理じゃろうし単純に連射制限にした方がかえってわかりやすいじゃろう」
「それもそうだね、村田さん。名前は?」
「村田キ52式自動銃、とでもしとくかの」
「じゃあ、運用試験ののち商品登録の流れで?」
「うむ、バダー君とバズー君にコロニー内での試験はやってもろうておる。有重力、無重力、真空、いずれでも正常に動作しとる。あとはザラマンダで空間機動戦での評価試験とザラマンダの火器管制との適合試験じゃな」
それはトーラスでの鉱石採集と兼ねて行うのが効率的だな、とアイリスは思った。
「そっちはいいか?なら、俺の方なんだが…その前に、彼らの待遇を決めた方がよくないか?」
ムラが「彼ら」というのは無論ミケ、飛鳥、大地の3名だ。
「んー、そうだね。どうしたい?」
端的にアイリスが訊ねた。
「いやいや、ざっぱ過ぎるだろアイリスさんや」
ミケが抗議の声を上げる。
「むぅ、わかってほしいなぁ」
「先輩、さすがに無理ですぅ」
飛鳥は身元が割れて以来先輩、ないしはアイリス先輩と呼ぶようになった。うっかり中身を知ってしまったので名前呼びだと居心地が悪いらしい。これに関してはミケもアイリスも基本日ごろと大差ないので普通に受け入れている。
「じゃあ、選択肢を出すね?まず大前提、このセサミシードは私のユニーク初期装備で、つまりは私有地。ここに滞在、居住するのは他ならぬあんたたちだから否はないけど、全てがオープンフィールドと同じとは約束できないよ。で、ここをホームとしているのは私の他はメイフェアちゃん、ムラさん、村田さん、ドーユーさん、バダーさん、バズーさん、プルナさんの7人で、生産開発チーム【セサミオープナー】を組んでる」
「アイリスさん、クオさんは?」
大地が質問を挟んでくる。
「私は姫様の玩具で…」
すぱん
「いかがわしい誤解をされそうな表現はよしなさい。この子はセサミシードの情報端末で、プレイヤーではないから一応除外。セサミシードの一部、らしいから私の所有物ではあるのかな?」
クオはこのゲームのプレイヤーサポート、とみなせば確かに玩具の一部、とも言い得るが、その表現はアウトだろう。
「それで、セサミオープナーのメンバーとしてここをホームとする、協力プレイヤーとしてここをホームにする、外部協力プレイヤーとしてホームはここにしない、ってのが当座の選択肢。なお、協力プレイヤーなのは確定でいいよね?」
「先輩、協力プレイヤーって…」
「そこの答えは聞いてない」
飛鳥の質問を切って捨てるアイリスに、どこの龍の子太郎だ、とミケは思った。
「ですが、アイリスさん、俺はセサミオープナーに参加できれば、とは思いますがフロンティア産の食材での料理開発もしたいので地表にホイホイ降りれた方が好都合なんです」
「ああ、なるほど。メンバーだけどホームにはしないってのもアリよね」
アイリスも大地の言葉に納得する。別に当座の拠点はどこでも共有すべきを共有できれば大きな問題はないかもしれない。
「俺は必要な時に協力し合う、で十分かな?ホームはステーションの方が動きが取りやすいな。今の所」
ミケは外部協力者の立場でいたいようだ。
「私はここを拠点にしていいですか?先輩。あと、セサミオープナーにも参加したいです」
飛鳥の答えにアイリスはうんうん、と頷いた。
「て意向だけど、みんなは何かオーダーあるかな?」
「調理と服飾なら既存の面子とも被らぬし、いいんじゃないかの?」
「そうだな。一応今どの程度やれるのかは見せてもらいたくはあるが、基本的には賛成だ」
「とりあえず、着た切り雀にも飽きてきたしな」
「あれかい?何か変わった食事のレシピとかもあるのかい?」
受け入れる側にも特に異存はないようだ。ちなみに、メイフェアとドーユーにもあらかじめそれとなく了解をもらっている。
「では、以降飛鳥ちゃんと大地君はセサミオープナーのメンバー、ミケっちは協力プレイヤーってことで」
「「「よろしくねがいます」」」




