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てす・てす・てす

 『あの、アイリスさん大丈夫でしょうか?』

 『さっきのでもう8機目だからな。百発百中って訳にもいかんし、ぼちぼち残弾も気になるか。メイフェアさん、あとどのくらい岩塊採集すればいい?』

 『予定の7割くらい収集できています。ですが、一旦中断するとしても集まったドローンを掃討しておく必要はあるかと』

 状況は多少悪化していた。【火星壱参参】の火力はハーフパワーでもドローンを撃墜できることが確認できたし、【ザラマンダ】の機動力はドローンを翻弄できることもわかったが、なぜかドローンが次々と集まってきており現在この宙域に12機のドローンがいる。優勢であるとはいえアイリスの被弾も皆無ではない。

 『クオ、ドローンはまだ増えそう?』

 『広域索敵ではさらに6機が接近中です。接触まで5分と推定します、姫様』

 『じゃ、ちょっと包囲を何とかして後退するから、メイちゃん、残ったのを対空砲でよろ』

 『わかりました。対空レーザー、第1、第4グループは迎撃用意を。友軍機に当てないように』

 アイリスは【火星壱参参】を左手に持ち替え、シュネルホイヤーを右手に装備し、ドローンの一機に発砲した。弾道は大きく(アイリス主観での、だが)上にそれ、発射反動で【ザラマンダ】がバック転するように回転する。

 『うぉ、アイリス?』

 『あー、大丈夫、予定のうち。モーメント記録、カウンタースラスト設定っと』

 機動補助ユニットのスラスターウイングが回転し、その動きで相殺しきれないモーメントを一瞬の噴射できれいに消す。

 『だいぶん射線がずれるね。重力が無くて地に足がついてないとこうなんだ』

 銃のセレクターをフルオートに設定しつつ、3機のドローンが集まる方向に機体を向ける。

 『でもばらまくにはむしろ好都合かな?』

 そのままフルオートで発砲、10発の7.62㎜高速弾が扇形にばら撒かれ、一瞬遅れて自動動作のスラスターが【ザラマンダ】の姿勢を立て直す。3機のドローンはそれぞれ2,3発の銃弾を受け、1機はセンサーを破壊され漂流、1機はレーザーに被弾し無力化、1機はプロペラントタンクにでも着弾したのか爆発する。三方向からの包囲の一角が崩されたドローンは、それまで3機一編隊だったのを組みなおして二機一編隊として再包囲しようとする動きを見せる。アイリスは、【プリンセスメイフェア】との間に位置する2機の照準から、スピードを保ったままの急角度の方向転換を繰り返し逃れつつ距離を詰め、左に位置したドローンを【火星壱参参】のハーフパワー射撃で、右側のドローンにはそのまま接触して蹴り飛ばした。

 『射線クリア、対空レーザー斉射します』

 ブリッジからの報告に続き【プリンセスメイフェア】の対空レーザーが残り8機のドローンを薙ぎ払う中、アイリス、プルナ、ミケの三名は帰艦していった。


 『ミケ様』

 艦載機デッキに帰還して、アイリスのザラマンダ、ポッドから降りた作業用宇宙服のプルナと共にエアロックに入ったミケは、クオからの通信を受けていた。

 『どした?』

 『この通信はミケ様にのみ送っております。姫様がザラマンダを除装されましたら、すぐに医務室におつれください』

 『え?』

 『訳はすぐにわかります』

 言いたい事だけ伝えた通信が切れるのと、エアロックの内扉が開くのは同時だった。

 ミケは艦内与圧区画に入ったのでザラマンダ・プロトを除装。プルナもヘルメットを取り外した。が、アイリスはザラマンダを除装しない。

 「?アイリス?」

 「ん、あぁ」

 呼びかけに答える声もいつもの覇気が無い気がする。数拍おいて、エフェクトが発生し、ザラマンダが消えてアイリスの姿になり、

 壁にもたれて崩れ落ちた。

 

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