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その名は、その名は

 臨時拳銃市をかたずけたその場に改めて設置した万能工作機が4台。互いに連結されたそれは、自動車ボディーくらいなら製作できるはずだ。

 「それで、およその方針とパーティー結成は良いとして、名乗りはどうしようか?」

 工作機に設計データを入力しながらアイリスが誰にともなく尋ねる。腰には木製ホルスターストックに収めたシュネルホイヤーをさっそく下げて、すっかり上機嫌だ。

 「そうじゃな、対外的に名乗りは必要じゃろうな」

 村田が首肯する。

 「ふむ、俺もそこまでの腹案はないな。誰か、思い付きでもいいが、何かないか?」

 ムラも今のところ良案はないようで、他に意見を求めた。

 「はい」

 「クオ君…はこの際発言権はあるのかな…まあ、いいか。どうぞ」

 「アイリス姫様と7人の…」

 かーん

 後ろも見ずにボルトを投げつけて黙らせるアイリス。この一投で、投擲スキルがアクティブになったのはまぁ、余談であろう。

 「クオ、失礼のないようにね?」

 「はい、申し訳ありません」


 次に挙手したのはドーユーだった。

 「ドーユー君、どうぞ」

 なんだかムラが司会をする流れがいつの間にかできている。

 「建築モデルのド-ユー社」

 「「「「「「「却下www」」」」」」」

 「駄目っすか」

 「うん、いきなり私物化しないようにね。てか、ドーユーさん、名前の由来はそれかww」

 「これが分かってもらえる女子は貴重です、アイリスさん」

 「まぁ、そうだろうけどww」


 続いてちゃっ、と右手を上げたのはバダーだった。

 「バダー君、どうぞ」

 「グロン…」

 「「「「「「「言わせねえからな」」」」」」」

 「駄目か」

 「うん、それはやばい。特にバダー君の見た目だと」

 こめかみに手を当てながらムラが突っ込む。

 続いてバズーが衝撃を与える者を名乗りかけて総突っ込みを受けるのはもはやお約束だった。


 「うん、面白かったけどそろそろ真面目に決めよう」

 たんっ、と最後の数値を入力したアイリスが振り返りつつ場の空気を引き締めにかかる。

 「これから私たちの製品を売るのにも、公団に色々と手配するのにも使う名義だからね。内輪で面白いだけのは却下で」

 ごうん、と工作機が唸り、何かの部品を造りはじめる。

 「あの、セサミシード、をそのまま名乗りにも使うのではいけませんか?」

 プルナが質問を発する。

 「駄目、ではないでしょうが紛らわしく思いますわ。場合によっては私たちとコロニー【セサミシード】の利害を分けて考えなければならないケースも起こりえます」

 これにはメイフェアが丁寧に答えた。

 「で、メイちゃんはそろそろ何か思いついた顔だね、それは」

 アイリスがメイフェアの発言を促す。実のところ、インセクティア兄弟の発言までの流れでメイフェアの意見が一番あてになるだろう、とは予想していた。

 「そうですね…【セサミシード】の開発も目標の一つですし…そう、セサミオープナーではいかがでしょう?」

 「ふむ」

 「なかなか」

 「良いのでは?」

 「開く者、か」

 「なるほど」

 「かっこいいと思います」

 「じゃあ、採用で」


 ぱしゅー


 「ところで、何ができたのですか?アイリスさん」

 「うん、メイちゃんザラマンダ・プロト出してみて」


 


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