閑話 村田銃砲店(臨時)
セサミシード総督府一階ガレージの奥、元々総督府で使用する各種車両の整備保全のための場所だったのであろう広大なスペースの隅に全員が集まっていた。
「さて、今すぐ用意できるのはこれだけじゃの」
村田がずらりと広げたのは大小30丁余りの拳銃。
「すべて、リアルで存在したもののレプリカじゃ。β中にスキル上げの習作に作ったものじゃが、どれもきちんと動作するから好きなのを選ぶがよい」
「使うのにステ制限はある?」
ざっと眺めつつアイリスが問う。
「主にパワーじゃな。およそ大型で重たい銃は要求パワー値が高くなるでな。単に支える重量、でもあるし、大概は強力な反動に耐えるために銃が大型化するのじゃから、逆に大きな銃は反動も大きいと思えば大体当たっとる。例外はあるがの」
村田の解説に、そういうものか、とアイリスもうなずく。
「俺たちもいいのか?」
バダーがリボルバー型の大型拳銃を手に取りながら村田に尋ねる。
「うむ、ここに出した物はできあがったところで目的を達成しておるでの。それに、銃も道具で道具は使われてなんぼ、じゃ」
村田は、普段落ち着き払った印象のバダーが稚気を隠せぬ様子に目を細める。
「こっちのは…さすがに実用的じゃないな」
そう言いながら一番端の方に並んでいた古めかしい単発型を手に取ったのはバズーだ
「そうじゃな。銃の歴史をなぞるつもりで作りはしたが、流石に火打石式は今時の実用品ではないの」
ゆっくりと広げられた銃の周りを廻りつつ観察していたムラが
「新しめのところで1990年代くらいか?」
とつぶやく。
「そうじゃの、ベレッタの92系とか、デザートイーグルとかがこの中では最新じゃろう」
「それは製作難易度のせいでしょうか、それとも、お好みのお話?」
そう尋ねるメイフェアは早々と自分の取り分を決めたらしく、やけに機械的なディティールの多いリボルバーを大事そうに持っている。
「一番の理由は時間切れじゃ。メカニズム的にはこれより新しくなっても新機軸はあまりないから難易度はたいそう違いないものじゃよ。まぁ、樹脂フレームの拳銃があまり好みでないのも確かじゃがの。にしても、エンフィールドMk2とはまた渋いところに行ったの」
「英国製はこれしかないようですから」
「まぁそれなら反動も小さい部類じゃし、メイフェア嬢ちゃんでも扱えるじゃろう」
「俺はこっちにしとくかな?」
ムラが手に取ったのはメイフェアとは逆にやたらとディティールの少ない自動拳銃。
「P7M13とはの。ムラよ、それは結構難物じゃぞ?撃ったら必ず手入れクリーニングをせねばならん」
村田的には全面的には勧めかねるようだ。
「メンテが十分なら問題ないんだろう?村田さん。後でやり方を教えてくれ」
ムラは逆に難物メカと聞いてそそられたらしい。
「村田さん、よくわからんから無難なのを教えてくれ」
早々と降参したのはドーユーだ。
「オートならM1911かM92が無難かのう…」
「どうちがう?」
「M92のほうが新しい分装弾数は多いし、安全装置も良く出来とるが長く使われとったからM1911のほうが信頼感がある、と言う者も多いの」
ドーユーは少し迷ったのちM92を選んだ。
「よし、男はやっぱりマグナムだろう」
「いや、リボルバーは手数が稼げないぜ?兄貴」
バダーがS&W M29を、バズーがデザートイーグルを選ぶ。
「これがすっきりしていてかわいいとおもいます」
意外に迷わなかったのがプルナで、銀色のモーゼルM1910が気に入ったようだ。
そして、アイリスは
「これはグリップが変わった形だね、村田さん」
「弾倉がの、自動拳銃は普通グリップの中に仕込むんじゃが、これは引き金の前にあるんじゃ。あと、ここのレバーの切り替えでマシンガンみたいにも撃てる。それをやるとコントロールが難しいがの」
「横に並んでる木でできたのは?」
「専用のホルスターじゃ。グリップの後ろに繋げるとほれ、ライフルみたいな形になるじゃろう?こうすると取り回しは悪くなるが安定はよくなる」
「…かっこいいかも」
シュネルホイヤーに釣られたところだった。




