プロローグなんて必要ない。あるのはオープニングのみだ。
僕には貴方を満足させる技術はありません。
だから感じやがれ。
これは僕の物語。
嘘かもしれないし、本当かもしれない。
でも。
はっきり感じたこともある、僕の物語。
これは僕の物語。
いつだって忘れられない。
あの2年と半年。
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ちょうど、今みたいな夏と秋の真ん中、僕は部活をやっていた。
六角形と五角形を組み合わせたボールが弧を描き高く舞う。
そう、サッカーだ。
僕たちのサッカー部は毎日の活動だった。
キツイだとか愚痴りもしたけど、やっぱ皆グランドにきて、なんだかんだサッカーが好きな馬鹿どもだった。
走り抜けるボランチ、必死のセンターバック。皆が熱くサッカーという真剣勝負を楽しんでいた。
しかしだからといっても、だれにだって技術には限界がある。もちろん努力すればなんとかなったのかもしれないけど。
何と言っても僕は努力が好きじゃない。
そういった意味でも自分に限界が来ていた。
天高く照らす太陽は土を焦がす、そんな季節の巡る中間での半ブランク。
本当に意味のない時期。
だからかもしれない。
そんな季節だから僕は狂ったのかもしれない。
そんな嘘偽りが混じっている虚心の心は言い訳をする。
はっ。
所詮いいわけよ。
全部俺のせいだよ。
逃げてんじゃねえ。
相変わらず天気が良い。
風も少ない。
今日は一人で帰る。
とぅーびぃーこんてぃにゅー
次回は夏。