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守り神人と呼ばれた一族  ~ついに世に出てS級探索者となる~  作者: おにまる
第一章 島を出る

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第六話 初めての探索者登録


 奥の応接室に案内され豪華なソファーで、ほっと一息ついて、くつろいだ状態の喜八郎。対して若干汗ばみ、緊張した面持ちで非常に礼儀正しく受け答えする受付嬢の前田さん。対象的な二人の態度。なぜこうなったかって?。初めて来た見知らぬ本土で好奇の目に晒され、ようやく落ち着ける場所に来れた喜八郎と、目の前に現れた只の田舎者が実は自分の在籍する職場のほぼトップとも言える立場の知り合いだったと知らされれば自ずとそうなるのも仕方ない。


「前田さん、もう少しリラックスして喋ってくれて良いけど?。」


「いえ、責任は副会長が取るから、大門様の望むとおりにしてやってくれと()()を授かりましたので、しっかりと応対させて頂きます。まずは探索者ランクは如何ほどにしましょうか?」


「探索者ランク??・・・」


「ええ、通常はEランクからのスタートですが、大門様の実力は、日本トップクラスに匹敵、それ以上かもとお聞きしております。故にSランクでも構わないし、大門様の望むようにと仰せつかっております。またそちらの・・・召喚獣様には決して粗相の無い様にと・・・」


『人間、我を召喚獣等と一緒にするな!。』


「ヒィぃ!__失礼しました。」


大慌てで、頭を下げる前田さん。このダンジョンであふれる日本でも人語を喋るほど知能の高い魔獣は、相当高位の魔獣というのは、探索者の間では常識だった。もし敵として出会ったら命は無い物だと・・・・


「フェン丸。あまり前田さんを怖がらせないでくれよ。」


『我を召喚獣等と一緒にされてはたまらん。』


 そう、喜八郎が気安く喋ってるので忘れそうだが、フェン丸は伝説の神獣フェンリルなのだ。三代目守り神人の菊三郎との盟約により、それ以来、当主となる定めの者が生まれた時より見守り、自ら力を貸してくれている。本来ならば決して召喚獣等にはならない高位の存在なのだ。


さらに畏まった前田さんを見てため息を付き横目でフェン丸を見る喜八郎。ぷいっと素知らぬ振りでそっぽを向くフェン丸。


 生まれて18年共に過ごす喜八郎には分かっていた。フェン丸がたまにこうやって人間を驚かして楽しんでいるのを。


「それで、そのランクというのは、どういう意味があるの?」


前田さんは丁寧に説明してくれた。まずはEランクというのは、探索者の初心者的な立ち位置で、入れるダンジョンも限られているとの事。D~Aに行くにつれて、熟練の探索者で、ダンジョン制限も解除されていくとの事。ランクが上がるにつれて待遇や受けられるサービスも良くなっていくが、依頼される任務の危険性も上がっていき責任も付いてくると言う。通常はEランクからスタートし、厳密な審査の上ランク昇格していくという。


余談でAランクともなると全探索者のわずか1%で、注目を受けるが、その分嫉妬や妬みも有ると言う話は探索者からも良く聞くと言う。


その上のSランクというのは、現在日本には3人しか居なく、国の要人扱いで所謂いわゆるVIP待遇となり、その責任も重大になるとのこと。


「あまり目立つのは勘弁してほしいから、Eランクでいいんだけどダンジョンだけどこでも行けるようにならないかなー?」


「かしこまりました。そのように登録させていただきます。ちなみにフェン丸様のランクはSランクだと副会長からお聞きしておりますが、よろしいでしょうか?」


「そっちもなんかめんどくさそうな事あるの?」


「いえ召・・・については、単に強さを示すだけであり、特に制限などございません。付け加えれば、現在日本にSランク召喚獣の登録は存在しません。なので、()()()となります。」


「目立つなぁ・・・フェン丸もEでいいか?」


『_Sでいいぞ。』


 日本初という言葉に耳がぴくんと動いたフェン丸はどうやらSランクが気に入ったらしい・・・


「んじゃピーちゃんも同じで。」


「ピーピッ」


フェニックスのピーちゃんもSがお気に入りらしい。


そんなこんなで、ゆる~く登録が終わってしまった。大丈夫なのか日本探索者協会。

これも副会長の一声があっての事だろうけど。


 探索者登録を終えて、やっとダンジョンに入る事が出来る様になった喜八郎に、形式上注意事項が告げられる。ダンジョン内での出来事は、基本自己責任となるので、くれぐれも慎重にとの事だった。また何か異変を感じた時は、必ずギルドへ報告する義務が有る事を丁寧に説明してくれた。


ダンジョン内の危険性については、いまさら喜八郎に説く所では無いだろう。何せ一人で数多の伝説級の魔物を葬ってきた八代目守り神人(もりびと)である。


「んじゃちょっくら行って来る。」


「え、装備とかは・・・?」


「装備?いつも何も持って行かないけど。武器ならフェン丸がもってるし。」


「あ、そうなんですね・・・では案内役も要らないですかね?」


「大丈夫だとは思うけど。あ__、でも最初だけ案内してもらおうかな?。」


「畏まりました。それでは今、手の空いてる探索者当たってみますね?」



そう言って前田さんは、ギルド内にいる探索者を当たってくれていた。

E級探索者の間は、熟練の探索者の案内を就けるのが普通らしく、その間の案内料はギルドから払われるとの事。それにより安全に探索者も育つので、ギルドとしては熟練の案内役に育成料を払ってる様なものだと。確かに良いシステムではある。


しばらくすると大きな槍を担いだ中年の男性を連れて来た。

「こちらはC級探索者の田中さんです。」


「どうも大門と言います。よろしくお願いします。」


「初めまして、田中です。よろしく。君いい体格してるね~っ、今日が()()初めてなんだって?」


そう言って田中さんは、誰でも最初は分らないことだらけだからねーと、大丈夫しっかりとサポートするからと、少しオロオロしてる前田さんを置いてダンジョン入り口へと向かっていった。




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