表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

プロローグ:時の狭間にて

雨が降っていた。


通り過ぎる車のヘッドライトが濡れたアスファルトに反射し、夜の広島の街を淡く照らす。神谷悠人(かみやゆうと)は、大学の帰り道、傘もささずに歩いていた。


雨に気づいていないわけではない。ただ、彼の思考は遠く、一九世紀ヨーロッパの戦争と外交に沈んでいた。


「もしフランツ・ヨーゼフ一世が、もっと柔軟な改革をしていたら……」

「もしオーストリアが第一次世界大戦で勝っていたら……」


歴史の“ もしも”に思いを巡らしながら、彼は交差点へと足を運んである。


次の瞬間、眩しい光が視界を覆い、何かが猛スピードで迫ってくるのが見えた。

耳をつんざくような衝突音。

体が宙を舞い、世界が反転する。


――時が、止まった。


悠人の意識が闇に沈む中、微かな声が響いた。

「君の知識は、この時代に必要だ。1850年、ウィーンへ――」


それは、誰の声だったのか、悠人には分からなかった。


だが、悠人は確かに聞いた。

目を覚ました時、彼は――皇帝だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ