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断罪イベント365ー王子編

断罪イベント365ー断罪中止に伴う損害請求について

作者: 転々丸
掲載日:2025/10/02


この国の王子は、365日断罪イベントのことしか考えていない王子なのです。

今日も断罪イベント始まります。


― 経理部、堪忍袋の緒が切れる ―


事件は、断罪イベント中止の翌朝に起きた。


王宮執務室にて。


「──殿下、誠に申し上げにくいのですが」

そう言って入室してきたのは、

経理部の筆頭にして鉄の帳簿の番人と名高い男。


白手袋をキュッと整え、背筋を伸ばすその姿に、

侍従たちは本能的に直立不動となる。


「……また、何か問題が?」


熱が下がりきらず、ぼんやりした顔の王子に、

彼は静かに書類を差し出した。


「こちらが、昨日**“中止となった断罪イベント”

にかかった経費の一覧**でございます」


「け、経費……?」


「ええ、“キャンセル料”込みでございます」


王子、青ざめる。


☆そこに記された内訳(一部抜粋)☆


会場設営費:2,500ルドル


魔道具搬送費:1,200ルドル


記録用プロジェクター貸出:3,000ルドル


観衆用椅子レンタル:600ルドル


声援旗プリント代:980ルドル


王子の断罪衣装クリーニング代(返却不可):1,800ルドル


看板職人への前払い:1,100ルドル


お茶菓子手配済み(納品済):2,300ルドル


宣伝費用(王都広報誌「断罪ジャーナル」掲載):3,500ルドル


合計:18,980ルドル


王子「た、高っっ!!」


経理部執事長は、顔を一切崩さずこう言った。


「殿下。断罪イベントは

エンターテインメント事業の一環です」


「……え、そうだったの?」


「はい。庶民の憂さ晴らし、王家の威信演出、商業活性化

……すべてが“断罪”に懸かっております。

体調不良による中止は、理由として認められません」


「そんなぁ……」


「昨日、白馬の輸送費まで先払いしたのですが……

今日の“ざまぁ”回があると聞いたのに!」


「待って、それはまだ……!」


「よって今後、“断罪イベントドタキャン時の

賠償契約書”を新たにご提示いたします。サインをお忘れなく」


執事長は書類をドサッと置いて、くるりと踵を返した。


◆翌朝の王子の嘆き


「熱は……下がった……でも心のダメージが上がった……」


彼はそっと「断罪キャンセル費請求書」を

顔に被せて、ため息をついた。


──彼の断罪は、経理部から始まったのだった。



断罪イベントの前は、

体調管理をしっかりと。


読んで頂き、ありがとうございますm(_ _)m

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