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文学トリマー

作者: 小波

どうぞ読んでください。

文学を飼って文学の毛が伸びて文学を連れて刈ってあげるのは飼い主の一連の流れだ。文学は喜んで尻尾を振り余計な毛はぱらぱらと床に落ちた。


すっきりしたぁ。

よかったよかった。


なんだか今日はおとなしいじゃない。文学はいつも口が達者でおしゃべりが止まらない。ふうん、すっきりしたからね‥

私の膝で寝てしまった。


刈りたてのおでこをそっとなでる。この感触もまあまあ好きだ。


しかし

なんていうか、これがあの文学だろうか。ずいぶんとこぎれいになっちゃって、うちのじゃないシャンプーの匂いをさせて、なんともよそよそしくなった。


寝ている文学をくしゃくしゃに両手でかき回すと不機嫌な声を出してくしゃみする。

ほら、起きな、朝だよ

何言ってるの、今は午後でしょ。トリミングに行ったばかりじゃないの!

むくれてる文学はかわいい。怒るほどに毛が伸びたり縮んだりして表情が出てきた。

ほらほら公園に行こう!嫌だよセットが台無しになるよ!風が強すぎる。

いいの!行くの。


きっと行ったら行ったで大喜びで緑の丘を転げて笑うに違いない。

note

永野 彗


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