光るカセットテープ
8話、か
よかったよかった。やっと話が進んでいく
第8話
〜駐車場まで進む道〜 (湊目線)
翔太君と話すのはすごく久しぶりだ。
何を話せばいいかわからない。
隣を見てみると翔太君は純粋な顔をして空を見ていた。
そういえば翔太君は空が大好きだったな。
そう懐かしがっていると先生の車についた。
先生は後ろのドアを開けてどうぞと言っている。
流石僕が見込んだ先生気遣いが完璧だな。
僕は先生の真似をして翔太君を先に車に入るように誘導した。
翔太君は呆れたような顔をして渋々車に入ってくれた。
僕は翔太君が車に入ったことを確認してその隣に座った。
翔太君は少しこっちを見て反対の方を向いた。
いま君は何を考えているんだろうか?
そんな事を考えていると先生が急に声をかけてきた。
「音楽かけていい?」
先生はそんな事を僕らに聞いてきた。
翔太君は外の方を向いたままだったんで僕が答えることにした。
「いいですよ、とびっきりのやつをお願いします!」
そう言うと先生は一つカセットテープを取り出した。
カセットテープって。
「この曲は俺のオススメの曲でMy feelingsって言うんだけどね」
そういってつけようとして車にセットした。
そうすると急にカセットテープが光りだした。
「へ?」
こういう演出かと思っているとなぜか先生も「は?」という顔をしている。
いやどういうことだよ〜。
視界が急に光で一杯になった。
(翔太目線)
「ここはどこだ?」
俺、いや俺等はスクランブル交差点の真ん中で寝転がっていた。
起き上がってみるといつもより手が小さい足も小さい丸で3歳ぐらいの、、、。
違う、その前に近くででっかい大人が転がっているこれは多分先生だろう。
じゃあ湊は?
「湊、湊」
おれは弱い足で必死に立って探し回った。
そうすると少し遠い所で起き上がった小さいガキがいる。
もしかしてと思い近づいてみると湊が小さくなったような姿だった。
「湊?」
っと声をかけてみるとそのガキはこっちを向いた。
そのガキは一瞬戸惑っていたがつぶらな瞳でこっちを向いて聞いてきた。
「翔太君?」
その声を聞いて俺は旨を下ろすと急に湊が抱きついてきた。
「なんだよ?」
「なんでもない」
そう言っているが抱きついて離れない。
そうしていると先生がこっちに駆け寄ってきた。
「お前ら湊と翔太か?」
怪しげなような目でこっちを見ている。
「はい、そうですがなんでわかったんですか?」
俺はシンプルに聞いてみた。
「いやだって服がさっきまで着ていたものと同じなのにブカブカなんだもん」
そうやって先生が言うとやっと湊は自分が小さくなっていることに気付いたのか、一回自分の姿を確認したくなったのか俺から離れてくれた。
湊は自分の姿を確認するあまり倒れてしまった。
そんな湊を先生は抱えた。
「先生、湊は?大丈夫なの?」
俺はほんの少しだけ心配になり聞いてみた。
「あ〜これは多分気絶しているだけだと思うから大丈夫だと思う」
歯切れが悪いな。
「取りあえず何が起こっているかがわかないから一回家来いよ」
先生は真面目な顔をしてそんな事を言った。
「いいよ、行こっか」
僕も真面目な顔をして答えたが先生がなぜかニヤニヤしている。
やっぱり気持ち悪い。
「なんですか?」
今日この言葉何回目なんだろう?
「眠いでしょ、ほれ」
そういい先生は湊を左腕で座る形で持ち右腕を差し出してきた。
「眠くねぇよ」
俺は先生の左腕を押し返したが相手は成人男性で力の差がすごい。
すぐに簡単に捕まってしまって湊と同じような感じで持ち上げられてしまった。
「おい、離せ」
俺は少し暴れた。
すると先生がさっきまでニヤニヤしてた顔が更にニヤニヤしてきた。
「おいおい、そんなに揺れると湊が落ちちゃうよ」
こいつ俺の弱点を完璧にわかってやがる。
「はぁーわかりました」
俺は揺れるのをやめこの先生に完全に体重を預けた。
「おー急に甘えてくるやん」
俺は少し顔が赤くなるのが自分でもわかった。
「違うし、この体すっごく疲れるの」
これは本当のことだ、この体は本当に疲れる。
「じゃあ別に寝てもいいんだよ」
うざい。
なんというかものすごくうざい。
「うるせぇ、うるせぇよ」
少しの力を振り絞って俺は言葉を返した。
本当に眠い。
意識が、、、。
(先生目線)
あのカセットテープ限定品だからワープしていても持ってたかったんだけど、、だってあれ15000円だよ!
15000円めっちゃ高かったんですけど、どうしてくれるだよ!