表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【お題で綴るラブコメ】轟木高校文芸部【お題募集中!】  作者: 天崎 剣


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/7

第7話 中間考査

NG:昨日今日明日

 来週月曜日から二日間、中間考査が行われる。本当は部活どころではないのだろうが、(たたら)麗華(れいか)はいつも通り部室に向かう。


「テスト勉強は必要だけど、毎日最低文字数は書かないとね」


 テストがあろうがイベントがあろうが関係なく、彼女は一年の頃から部室での執筆を続けている。アスリートが日々のトレーニングを怠らないのと一緒で、彼女にとって部室での執筆は必要なもの。要するにルーチンワークなのだ。

 なんの気なしに部室を訪れると、すでに人影が。


「田畑君、勉強してるの?」


 新入部員の一年田畑(たばた)悠大(ゆうだい)が、机に齧り付くようにして一心不乱に何かを書いている。


「高校に入って最初の中間考査だもんね。中学とは違って内容も難しくなってるから、頑張らないとね」


 鑪の声に、田畑は反応しなかった。

 珍しい、集中しているのねと机を覗き込むと、ノートに何やら書き込んでいる。

 結婚可能年齢の文字、十八、二つ違い、鑪先輩と同じ大学、就職、結こん(何故かひらがな)の文字。田畑らしき男子と鑪らしき女子が手を繋いでいる絵(しかも微妙に下手)。

 鑪は思わず「キモッ!」と声を上げた。


「あ、部長。お疲れっす」

「な、何してるの田畑君」

「将来設計しとこうと思って」

「……妄想は勝手だけど、中間考査の前の週にやることではないわ」

「そんなことないす! イメージトレーニングっす!」


 田畑は相変わらず意味不明だった。


「楽しそうなところ悪いけど、田畑君。あなた真面目に部活する気、ある……?」


 あまりにもくだらないことに貴重なテスト前の時間を費やす田畑に、鑪はキレ気味に言い放った。

 が、何故か負けじと田畑が声を荒らげる。


「当たり前ですよ!! 部長!! 俺がどんなに真剣に先輩との未来を考えているか分からないんですか!!」


 残念ながら、田畑には鑪の真意など伝わらなかった。


「この高校に入学できたってことは、田畑君もそれなりに地頭は良いのよね?」

「当然っすよ。ギリギリ合格です」

「……ギリギリでも合格は合格だったんでしょ。勉強がある程度出来ないと入れない学校だったはずなんだけど、少子化による定員割れは怖いわね」


 漢字もろくに書けない学生が増えているのは、鑪も認識している。スマホの普及で書くという行為そのものが失われつつあるのだ。最近はスマホのフリック入力ばかりで、パソコンのキーボード入力が苦手な大人も増えているそうだから、社会的な問題なのかも知らないが。


 せっかくの新人、失いたくない貴重な部員ではある。

 それでも、鑪は部長として、何より轟木高校文芸部の先輩として、この田畑という未知の生物(モンスター)をこのまま放置する訳にはいかないのだ。


「残念だけど田畑君。中間考査の順位によっては退部も考えなくてはと思っているところよ」


 田畑は鑪の言葉を直ぐには理解できなかった。

 顔を上げ、ニッコリしながら首を傾げている。


「中間考査の順位が学年の半分以下なら退部ね。ここは神聖な文芸部の部室であって、君が変な妄想を巡らす部屋ではないの」

「……?」


 思考を停止したのか、田畑は目を何度も瞬かせている。


「成績が悪ければ退部と言ったのよ、田畑君」


「たい……ぶ」

「そう、退部。文芸部から去るという意味よ」

「さる」

「部室に出入りすることが禁止になるってこと。分かる……?」


 田畑は少し考えた。

 考えたらしい。

 鑪の言葉を噛み締め、なるほどなるほどと、椅子に深く腰掛けながら天井を仰ぎ、「つまり……」と続ける。


「成績上位に入れば、鑪先輩とずっと一緒って意味っすね!!」


 意外な返事に、鑪は狼狽えた。


「あ、うん。そう、そうだけど」

「ありがとうございます部長! 俄然やる気が出ました!!」


 田畑の表情が明るい。

 勢いに気圧されて、鑪は一歩後ろに退いた。


「大丈夫? 本番まであと一週間もないのよ?」

「全然大丈夫っすよ!! 行けます!!」

「テスト範囲は把握してる?」

「多分大丈夫っす! これから確認します!!」


 これから、という言葉に一抹の不安を覚えながらも、やる気が出たなら良いかなと鑪は思う。


「授業をしっかり聞いていればある程度の順位には入れるはずよ。頑張ってね、田畑君」


 ――この『頑張って』がどれ程田畑を奮い立たせたのか、鑪は知らない。

 翌週、配布されたテストの結果をドヤ顔で自慢しに来た田畑に、鑪はほっとしたように表情を緩めるのだった。


Twitter(X)のコメントで頂いたお題を元に書きました。


「今日明日頑張ればどうにかなるような問題じゃないのよ田畑君」

「昨日までの頑張りが今日からの君を助けるのよ」


と言わせたかったのですが、そこは我慢ですね〜笑

田畑君にもうちょいギリギリまで部室で遊んで貰おうかとも思ったのですが、多分週末挟まないと上位には入れないだろうなと調整しました。


次回は新キャラ登場させようと思います。

鑪と田畑の二人だけだと段々ワンパターンになりつつあるので……


お題は随時募集します。

全て採用するとは限りませんが、良い感じのがあれば書きますね。

いいね、ブックマーク、評価★★★★★よろしくお願いします!


以降、不定期更新となります。

ご感想もお待ちしてます☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
轟木高校文芸部
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ