冒険者ギルドでの受難2
テストって、何割とれば良いのだろうと思う今日この頃な、僕です。
1000文字初めて超えてました。
ブックマークされた方、ありがとうございます。
赤榁―それは僕にとっては災厄運びという印象しかない。何も考えずにPKを行っていた頃の僕を助けてくれた人ではあるけれど、厄介事をよく引っ掛けてきた。よくまだ死んでいないと思う。疫病神のアイル叔父上に気に入られてるから仕方ないこととは思うけれど。というか、災厄のことだってアイル叔父上をいまだに拒んでいるからであって……僕の心身の自由のために早く諦めろ。アイル叔父上は影は薄いが諦めが人一倍は悪いんだからな。
「赤榁、何の用なの?僕、嫌なんだけど。正直赤榁の頼み事は面倒事ばっかじゃん」
「いや、久しぶりに会ったのに辛辣だね!?相変わらずだけれども」
「煩い。用事早く言って、僕の用あるから」
面倒事は逃げるに限る。赤榁は苦笑しているけれど、苦笑じゃないよほんとに。何かあれば、アイル叔父上に一任しようと心の中で決める。つい先程、フレンド登録したからいつでもチャットを打てるんだよね!本当に楽になった〜、魔力使わないで良くなったし。魔力の無駄遣いは避けたかったんだよね……。
スキル制なゲームとしての世界の法則みたいなのが、コレとしては働かなくなっているみたいだから、特に魔族は好きに魔法を使っているみたい。神族は、神魔法が露見すると面倒事に発展するのが目に見えているからと普通の魔法しか使わない。職が終極段か、複数の普通の魔法の練度がEXになったら使っているらしい。
段とは、1000年の内に追加された階級の事で、1~3が下段、4,5が中段、6~8が上段、9,10が超段、11が終極段、12が宇宙段となっているっぽい。
下段はレベルが50まで上がり、就ける職は4つ。中段はレベルが100までで就けるのは2つ。上段は、中段と同じくレベルが100までだが就けるのは1つ。冗談の方がレベルは上がりにくく、しかし能力値は職にもよるが上がりやすいらしい。超段は、レベルが500まででいくらでも就ける。ただし、条件と試練をクリアしないといけない。
終極段は1人しか就けないが、そこに至るまでと試練が難しすぎるため、魔族と神族、半神族ぐらいしかついていないらしい。終極段レベルは、そもそもその座が既に埋まってるから就けないだけの気がする。ごく稀に人間が就くこともあるそうだが……その職の名前を聞く限り、神職や魔王系統ではない。宇宙段は、上位神職のため全部埋まっている状態で、本人達がレベルを上げて就くのみだろう。
「裁判官として裁判に参加して欲しい。スキル介入があるみたいだからね。君にデバフスキルが効いたのを見た事が無いから」
「却下。今すぐだろ、それ」
「2時間後だよ、零夜くん?大丈夫かな」
断りたい、完璧に面倒だ。裁判っていうだけでも疲れるのに、デバフスキルが介入してくるだなんて神経が死ぬ。陸翔次第かな、参加の有無は。僕は別に一応は構わない。疲れるだろうけど、特に困ることなんてないし。執事の小言が増えるだけかな。………アイル叔父上にも助力を願っておこう。デバフ関連はあの人がエキスパートだし、赤榁のためなら喜んで引き受けてくれるだろう。うん、僕よりも適任者がしっかりといるではないか。
「陸翔に聞く。僕自身は脳の負担を考えるだけで良いからね。あと、アイルにも助力願うよ?」
「あぁ、あの決闘1位か。君よりは強くないから気にしていなかったね。……って、アイルだけはやめてくれるかな⁉︎確かに、アイルに助力を願うのが1番だけれども‼︎というか、アイルと接点なんてあったのかい?」
やっぱり、僕基準で考えてたんだね。僕が大体ソロだからっていう考えで動いてるし……心配なんだけど、こいつの人間関係。まさか敵だらけじゃないよね?アイルがなんとかしているとしか思えないぐらいには杜撰な人間関係を気づいている気がするよ……。う〜ん、アイル叔父上には絶対に来てもらうとして。赤榁の人間関係を聞き出して、内容によってはアイル叔父上に赤榁の補佐を正式にしてもらおう。僕を何回もこき使っているから、このぐらいの我儘は許されなきゃ困るよね?
「アイルは僕の叔父上だよ?接点は何億年も前からありますが何か?」
「あ、結構長い間生きてるんだ……、え?アイルそれよりも上なの?凄く嫌な予感がするけど、決闘1位なら今すぐ呼び出せるからノーグレで呼ぶね」
「携帯電話か。向こうでいうところの」
「らしいね。ノーグレってみんな呼ばずに携帯電話って言ってるね!!」
浸透してるんだなぁ、地球の文化。前よりも通じやすい。赤榁は初めから通じてたけど。まぁ、長命種だしアイル叔父上が気に入っているしで地球の文化に元から触れていたんだろう。アイル叔父上はゲームに赤榁がいると知って、コレを始めたんだろうし。何やら楽しそうな赤榁を尻目に考える。
デバフスキルかぁ。僕に効かなかった理由は……多分無いから、かな。中身が空っぽで。いや、アレはあるか。でも、最終的には無い。そのスキルの対象が無いからそもそも発生しない。コレにいるためのアバターは仮初の命だし、そのアバターを入れている現身さえもが仮初の命のアバターだから。あの2人は、デバフスキルに当たったことすらなさそうだったな……。あの時、追尾型のデバフスキルさえも避けていたから。
法則が本来のものになっても、現身が仮初である限りは効かない。神族なんかだと、本体であったとしても効かない。魔族でも、神族との共通点を持つ先祖返りである僕と弟妹は、そのおかげでデバフが効かないというだけのこと。神族が今までのゲームには全く出張らなかったということもあって僕達が特に目立っていたというだけなのだけれど。
感情がもし無ければ感情を操作するスキルが意味ないのと同じで、聞いているときに真偽を決めていなければ、操作されない。この世界のスキルはほぼ全てそういうように作られている。統一神関連で、そういうスキルの扱い方に秀でている奴らは結構覚えがいいらしい。実際は、どうなんだろう?体の良い厄介払いに巻き込まれているだけなのだろう。面倒だと、他人事にはできないから呟く。
コンピュータに文字を打ち、発声させたら嘘でも、嘘を見抜く真偽判定に引っ掛からないのと同じで。意味を成す土台を用意しなければ良い。ダミーとなる人形は前々からある音鬼の物。表情さえも表現できると知った時には、冷や汗が出た。随分と音鬼は、人形に慣れているようで、何かの代わりとでも言うようだった。
そういう事ができるから僕は、裁判に参加しろ、と赤榁に言われるわけだ。僕の脳の分析能力は有限なんだけどねぇ。
「零夜くん、今から陸翔くんが来るらしいし、大丈夫だってさ。昔の知り合いって事にしといたから」
「ん、裁判の前提を頂戴。分からない事があったらデバフ対応できなくなる」
今日は大忙しだ。就寝時間……オールでいっか。寝てもあまり意味ないし。
中3公民の範囲が軽く次にあります。勉強嫌だよ勢の方は飛ばして良いです。




