教祖と記憶
文字数がまた1000字増えて、4000字となりました。キーボードで打っているからなのかな?10000字になるのも、時間の問題な気が……。
誤字脱字報告と、ここにルビが欲しい!!っていうのがあれば、是非教えて下さい。
これから、初めから加筆修正していきます。1ヶ月後に同時更新とします。
冷めた笑みは冷笑ではないとは誰の言葉か。誰かは分からなくても、意味は自ずと分かるからいいだろう。感情のない笑みと、嘲笑うような笑みが同じでないことぐらいは、漢字弱者ではない限りは分かるのだろう。最も、漢字の意味をそのままに捉える者がいれば、意味のない御話ではあるのだが。今現在、僕が浮かべているのは冷笑だ。どこか苦笑まじりの。
「やっと、始めたんだね‼︎永遠にCEWOをしないのかと思った〜、まぁそれは流石にないか。伝説通りでは無いにしても」
「クラマスがすみません。分かりにくいとは思いますが、これでも双風は貴方の事を好いていますから。こんな子に育てた覚えはないでしょうが」
「ノーマ⁉︎僕がストーカーみたいじゃんか〜?心外だな〜、そんな事しても百害あって一利なしだよ〜?」
それをやってのけるのが双風である事を絶対に忘れてはならない。それにしても、双風に関しては何処かで似たような人を見た事があるような、無いような。顔とかの造形の話ではなく、雰囲気でもなく、目のギラつき方に関して。そもそも、育てた、という言葉が引っかかる。弟妹以外には、双見風雅以外にはいないのだけれど。
風雅はこうやって目はギラついていなかった気がするけれどな。感覚が敏感で成す事全てがエロかったという事を覚えている。風雅の片鱗など、一切見当たらない。うん、風雅ではないね。でも、双見の「双」と、風雅の「風」で「双風」という単語は作れる。…え、風雅の可能性も加味しないといけないのか。目の前にいるのは女性なんだけれど?あぁ、設定は性別も弄れたか。それに、風雅は僕に執着していたみたいだし。
それで、目がギラついているという事はそういう事、なのかな?もし、そうなら随分と風雅はキチガイとなるのだけれど。育て方を間違えたつもりはないから、彼自身の愛情の受け止め方の違いかな?まぁ、あの時は確かに楽しくて仕方がなくて、人様には言ってはいけないような事をしていた。けれど、どちらかというと八つ当たりに近いことをしていたはずなんだけれどな。
「まぁ、どっちでもいいとして、お願いだから玲夜、椰永陸翔と一緒に遊んだり、行動したりするのやめて」
「なんで?君に制限されないといけない謂れはないよ?」
双風が、明らかに不満そうな顔をする。そんなに嫌な顔をするのであれば、僕の行動を制限しようと試みなければいいのに。僕の行動全てを把握しようとしなければいいのに。そうすれば、自由が一定以上は確約されるのに。みんな、自由を謳歌しようとして、間違えるのになぁ。
「玲夜様がそう仰るのは無理ないと思います。ですが、彼は所謂『人紛い』です。どう考えても、あなたに良い影響はございません。それどころか、悪影響を及ぼしかねません。そのような事態に陥る事は我々にとっても看過できる事ではありません。」
「我々?看過できないってどういう事?僕の行動にケチつけないで‼︎誰と何しようが構わないだろ⁉︎」
「それが、できれば良かったのですが……。もしや、玲夜様はアバターメイキング時に、サポートAIからの国についての説明を聞かなかったり、事前に情報を集めたりしなかったのですか?」
まさか、今ここで聞かれるとは思わなかった。でも、説明はきちんと聞いたよ?なんなら、大体の事をあの説明だけで把握できた。介入するのは、ちょっと面倒だと思ったからしていないけれど、粗方統一神族が関わっているのだろう。僕がどう遊んでも良いだろうに。
「このゲームは、ゲームではありません。それは、一応一通り全てのゲームに目通しした玲夜様なら、分かっていると思いますが」
「全然違う、他のゲームだと思っていたのに、似たような世界で魔法の名前、剣技の名前、ギルドの人員構成とかがほぼ同じだからね…。最も、地方の違いと言わんばかりのささやかな違いはあったけれど」
「はい。貴方様は、他の国に行くことができない事、そして、他国の情報が一つも入ってこない事を、疑問に思いませんでしか?もしくは、すでに知っていたか」
知ってはいないけれど、赤榁がそれとなくそれっぽい事言ってたから、後者に当てはまるのだろうか。でも、どこが僕に繋がるのかは分からない。ここが、現実であり、異世界に当てはまるという事は、肌で感じられる。それに、何かがあると、僕の本能が訴えている。電波世界で干渉したわけでもないからだ。
スプライトが言っていた。魔国の特殊性については。厳密には聞いてはいないけれど。もしそうであれば、魔国が確実に存在するのだろう。そして、天界も。そこだけは、単独世界として。単独になっているからこそ、多分、元来種族の容姿になるだろう。そして、元来の能力になるのだろう。魔国・聖国ログインの遊戯者を除いては。
「貴方様の御見姿や、内包魔力量・魔力の質・光なき属性は、真っ当に魔法及び魔術・呪術の類を収めていれば、気付かれます。あぁ、御見姿は我々や、同類、使徒共に限りますが」
「あ、うん。一つ聞きたいのだけれど、我々、って何?勝手に宗教団体擬きでも作ってるの?」
「知らなかったのですか?かなり前から存在しますよ、」
ーノーティ様ー
「ふざけるなぁあああああ‼︎」
「そんなに嫌だったのですか?ですが、かなり規模も大きいですし、もし潰してしまえば、信者は……どうなるのでしょうね?」
「……はぁ、分かったよ。気付かなかった僕にも責任があるし。現実も、と言うんだろ?教祖だけは教えて。ちょっと半殺しにするから」
なんでか、ドン引きされているような気がしなくもないけれど、無視だ、無視‼︎気にしたら負け。
「火影レンだよ。ここでの名前は、フィーア。フィアノクだからかな?なんでフィーアがなんで教祖なんだっていう疑問はあるかもしれないけれどそこはま、諦めて」
「……誰、それ。知らないんだけれど、フィアノクという言葉も」
2人がものすごく動揺しているのが分かる。それも、そうだよね。本来は完璧に知っているはずだから。
「そういえば、バレたら殺されるからと、ずっと顔も合わせていないし、話していないと言っていましたね。それに、自分に関する記憶をかなり前に、前回の人紛いが出た後のタイミングで消した、とも」
「つまり、かなり強いという事になるよね?」
「えぇ、まぁ。彼は強いですが、今はその強さも頭打ちです」
でも、当面の目標はフィーアを殺す事に決まったな。………………記憶、か。無気力だったのは、記憶が減っていたからもあるのか?消した、と一概に言っても戻る可能性のあるものとないものがあるから。今回、僕の場合どっちなのだろうか?
あはは‼︎でも、僕のすることが決まったのは……僥倖だね♪
「僕に知らせなかったこと、記憶を抜いたことを後悔させる。2人の言い方からすると、僕の同類みたいだけれどさ?というよりも、待って2人の現在のPNは?」
「私がノーマで、こちらが双風です。変わっておりませんよ。」
「そっか、ノーマ、宗教団体の名前は?ネーミングセンスが壊滅だったら強制的にでも、名前を変えるから‼︎」
本当に、名前がダサいのだけは勘弁してほしいからな。例えば、リンデイ教とか意味が分からないから、何を指しているのかさえ。夜咲の会は分かりやすい。夜咲を信奉対象にしている、と速攻で分かる。後、どこか厨二病チックでかっこいい、気がするし、結構信者いたはず。あそこは本人に頑張ってコンタクトを取って許可して貰っているという、本人公認の宗教団体なのに。
「零神教です、玲夜様。おそらく、これ以上の名はありますまいに?」
「あ、それは許可できるや。じゃぁね、もう少しでパーティーメンバーが来そうだし。さっさと、この勝負を終わらせよう?」
「どこの馬鹿が貴方様と勝負をするのですか?そもそもが、私達には敵意はありません。それで、椰永陸翔は貴方を壊す可能性があります。前回、邂逅した人紛いは貴方様の心身に多大なる傷を負わせました。フィアノク様のような神に至る事のできる人紛いなら歓迎しますが、あれにはそうとは思えません。」
うぅ、信者と闘ったら一部の狂信者が暴走するか……。戦いたい戦闘狂とかいるだろうし。えぇ、凄く不本意なんだけれど。何もないかのようにスパッと切れる感覚が好きなんだけどな。我慢か……。でもまぁ、時間が過ぎてもダメだし、帰るかぁ。陸翔の件は承諾しないけどね。
あ、そういえば音緒に、怒られてしまうかも。だって、ちょっと殺し過ぎたからね、モンスターとプレイヤーを。やらかしに絶対含まれるからなぁ。
知らないって言ったけれど、フィアノクって聞いた事があるし、知ってるよ。あぁ、あぁ、嗚呼ああああ。
ちゃんと、覚えている、思い出した。魔術によって彼の事とこの世界を長らく忘れてしまっていたけれど、上書きして行っていた、『そうそうないだろうけれど、フィアノク・ノルティベガを一瞬でも忘れてしまった時用の記憶結晶』がどこかにあるんだろうな。そのどこかは確定であそこにしかないはずだから…………一部だけ単独世界となっているわけではない?というか、そこに他の装飾具とかあるし、一度訪ねないなんて選択肢はないよ。
フィーアの事を忘れていたとか、一生の不覚とかそれ以上だよ。でも、半殺しかそれ以上の刑に処すのは変わらん。面ッ倒だけれど、フィーアが僕の目の前に現れないには始まらない事ってわけでもないから、ないから、裁判が終わったら行ってやるよ。
フィーアは何を思って僕の記憶を消したのだろう。辛かったから?苦しかったから?なんで、記憶を消すのをこっちでしてくれなかった?知っていたのか?もしそうだとしたのなら、見つかったりする可能性のあるのに、何故?見つけて欲しかった?フィーアの性格からすると、もし結晶のことを知っているのなら、絶対に破壊しているはず。
それに、抜き去ったにしても、何かの拍子に思い出してしまうかもしれないのに。そうなったら、フィーアはどうしようとしていたのだろうか。人紛いの内、神に至れる可能性が低い者は魅了というものが基本性能としてついてくる。ノーマは、それを危惧しているのだろう。
一刻も早く、フィーアのもとに行きたいな。そうしないと。
もし、記憶の消去が他の人紛いの奴の指示だったのならば確実に、主犯と共犯を……………………■■■■■■■■?
100話以上も後に出すつもりだったフィアノクについて少し書いてしまいました。意味分からないかもしれませんが、正常な反応です。書いていたら筆が乗っていました。




